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ネイビー
「あ、ちょっと待てよ、もう一回見せてくれ」
そう言う荒巻に、俺はカードを手渡した。荒巻は、そのカードの裏表をもう一度よく見ながら、何かを納得した ような表情を見せ、意味あり気に切り出した。
「ははぁ......さてはお前、婚活パーティに行っただろ?」
は?
「このカードって、婚活パーティで配られるやつだろ? 女の子が、気に入った相手にあえて名前を書かずに運営側に渡すパターンのやつ。運営からこれを貰った男は、相手が誰だかわからずにドキドキするんだよ」
そう得意気に説明し、ニヤリと笑う。
「お前、やけに詳しいな...」
そう突っ込むと、荒巻は少し動揺した。
「い、いや、俺も聞いた話しだ」
「お前の方こそ、このカードが配られるパーティに行ってるのか?」
最初は初めて見るような顔してたって事は、パーティに行ってもカードは貰った事がないパターンだな?
「う......うっせぇな。俺の事はどうでもいいの! で、このカードに電話をしてみたのかよ」
「あいにくだが、俺はその婚活パーティに行った事がない」
このカードの正体が婚活パーティで配られるものだとしても、俺はそのパーティの存在すら知らない。
「じゃ、どうしてこのカードを持っているんだよ?」
それが......分からない。このカード、袖口のボタン、婚活パーティ......何もかもが、思い当たる節がない。 記憶が......飛んでる? 俺の記憶が......記憶の一部が、欠落してしまっているんだろうか? まさか、健忘症? この俺が?
何かを思い出すかもしれないと、会社の PC でスケジュールを遡る。 今年の1月から予定を確認してみるが、全て覚えている。会議も、資料作成も、報告も、職場の飲み会も、何も かも鮮明に覚えている。俺の記憶は欠落なんてしていない。 「お前、そんな仕事の予定表を見たって、婚活パーティなんて書いてないだろ」
確かにそうだが......プライベートのスマホアプリにも婚活パーティなんて書いていない。両方に入れている用事 は職場の飲み会くらいだ。
「電話してみようぜ。それでハッキリするだろう」
何がハッキリするのかは分からないが、ただ...... 「このジャケット、多分半年以上はクローゼットに眠っていたんだよ。今更......」
その時、始業時間となった。
つづく
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あと2回で完結なんですね 楽しみにしています😊
結菜🎀🥷
ネイビーさん✨️ 面白くなってきましたね〜 どんな結末なんでしょうか? 楽しみにしてますね〜♪