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さつき
『名探偵のままでいて』小西マサテル
いつもは過去に読んだ本をピックアップしているのですが、最近読んで面白かったのでご紹介。
第21回『このミステリーがすごい!』の大賞受賞作で、ミステリ界隈で評価されただけあって、最初から最後まで謎→解決の流れがスムーズで、かつ無駄がなく、読んでいて気持ちがよかったです。
認知症のおじいさんと、その孫娘の周辺で起こる日常の謎を解き明かしていくミステリなのですが、探偵は孫娘、ではなく、安楽椅子探偵のおじいさん。
ミステリの名著を作中に登場させ、それをオマージュした物語を作り上げていて、そこで一層作品に奥深さが出ていて面白かったです。
「女か虎か」の使い方も面白かったのですが、ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」のセリフはどこで見てもいいですね。
「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」
世代的にCLANNADの1ルートも思い出してしまいます。笑
ところでこの作品、「物語は紫煙の彼方に」というのが原題で、書籍化にあたってタイトルが変更されたのですが、「名探偵のままでいて」との違いはどう思いますか?
「編集者ちゃんと仕事してるなぁ~」と思ったのですが、「物語は紫煙の彼方に」というタイトルを聞いたとき、多くの人は「作品を表していていいじゃん」と思うし、私も思ったのですが、「名探偵のままでいて」というタイトルにすることで、表紙イメージを孫娘のほうにすることができるんですね。煙の中の老人と、老人を思う孫娘、手に取る人が多いのは、きっと後者ですよね。
物語自体も老人の話ではなく、視点主人公である孫娘のお話ですし、何より「孫娘じゃなくて認知症のおじいさんが探偵なのか」というミスリードにも一役買える。
本格的なガチガチのミステリだったら原題でもいいのですが、読みやすい日常ミステリというところからも、改題のほうが合っている感じはあるように思います。
長くなりましたね。笑
書影はコメント欄に載せておきます。
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さつき 投稿者
あお
おもしろそう! わたしも読んでみます!
彩
CLANNADのあの台詞は、もとがあったんですね!!! 今まで知りませんでした。 たんぽぽ娘。読んでみたいです。
シン・お義母さん
面白そうですね〜 本屋さんに探しに行ってきます😊
こみさ
さつきさんの本の説明は、いつでも読みたくなっちゃう文章ですね! お上手です!