運営が初心者のエセ婚活パーティーに出会いはあるのか？

【運営が初心者のエセ婚活パーティーに出会いはあるのか？　５】#まる婚活

当日。
会場は公民館だった。一室を借りたらしい。
フミちゃんは先に行っていると言っていた。

『一体どんなことになるのやら…』とヒヤヒヤしながら会場に入ると、そこにはフミちゃんと仲間のおばあちゃん２人の、合計３人。
そして若い女性が１人、男性が３人いた。

女２：男３の、まあまあ良いバランスだった。
私１人が余るという悲しい状況ではないことにホッとした。

フミちゃんは「この２人だよ」と、来ていた男女を小声で教えてくれた。
内気そうな男性と、サバサバした感じの女性だった。

なるほど…　この２人がフミちゃんの言う「お似合いでくっつけたい２人」か。

バリバリ働きそうなサバサバした女性と、控えめで優しそうな男性のカップルになるわけか。
女性側がグイグイ行くカップルになるんだろうかなと推測する。
それはまた素敵だと思った。

（この２人が本当にくっつくのかは別として）
この男性を除外した、残りの男性２人が実質、私のお相手候補である。

残った男性を見る。
大柄な男性と長身細身の男性だった。

大柄な男性はガッチガチに緊張している。
視線は正面をずっと見つめ、肩は大きく上がった状態で固まり、両手がグーになっている。

きっと私が横から人差し指つついたら、そのままの姿勢で倒れていくんじゃなかろうか。
こりゃダメかもしれん。

もうひとりの長身細身の男性は、私を見てかすかにお辞儀をした。
マスクなので表情はよくわからないが、目元の細め具合から微笑んでいるように感じた。

無言のままだったが、スマートな仕草で足を組み、椅子に座っている。
インテリっぽい。でも何故だか背筋がゾワリとする。

今回のパーティーメンバーを頭の中に入れる。

・内気男（女性と組む？）
・大柄男(緊張MAX)
・インテリ男(謎の微笑み)
・サバサバ女(カッコいい)
・真面目女（私）

という形になる。

「これから婚活パーティーを始めます」と司会であるフミちゃんが号令を出す。
ドキドキしながら、全員がフミちゃんを見る。

すると「では最初に自己紹介！」と司会は言う。

「そこで立って自己紹介をしましょう！」

・・・・。

入学初日の中学校かよ！！！