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ミルトン
中学、高校とずっとA子のことが好きだったのだ。
席替えで、A子のうしろの席になったことがきっかけだった。
僕はよくA子に消しゴムを借りた。椅子をかるく蹴って合図をしていた。
「やめてよねー」とA子は言った。じゃれあっていたのだ。
僕はいじめられることになる。クラスの不良たちに殴られたのだ。
それをA子に見られた時は本当に屈辱だった。それでも僕は殴り返せなかった。
また席替えになり、僕らは離れ離れになった。蜜月は終わってしまったのだ。
中一の時に好きになり、高三までずっと好きだった。高校は別々になってしまった。
高三の時に、家業の店の前をほうきで掃除していたら「ミルトン!」と声がした。
見るとA子だった。自転車で走りながら僕に手を振っている。
一瞬にして幸せいっぱいになってしまった。狂ってしまいそうだった。
久しぶりにA子と会えたのだ。すっかり有頂天になってしまった。
僕は親に聴かれないように、電話ボックスからA子に電話をかけた。
「11月25日に映画に行かない?『ゴースト』っていう映画なんだ」
勇気を出して誘ってみた。しつこく何度も誘ったのだ。そしてなんとかOKがもらえた。
僕はすっかり嬉しくなり、11月25日を待った。
「ミルトンごめんね。今日映画に行けない。バイトが忙しくて…」
がっかりしたが、どうしてもA子に会いたかった。
僕はA子のバイト先、新月という和菓子屋に向かった。
店の中に入ると、店員をしていたA子が驚いた顔をしている。
なにか店の中が気まずい雰囲気になってしまった。
「これください…」とA子に言った。安い和菓子を買ったのだ。
「あ、はい、ありがとうございます…」A子の動きはぎこちなかった。
和菓子を買って店を出た。迷惑だっただろうか…。
その夜またA子に電話した。「ごめんね、店にいっちゃって」
「ううん、私も映画に行けなかったから…」
「今日って実は僕の誕生日だったんだ」
「あ、おめでとー」
自分のことしか考えてなかったと思う。『ゴースト』は後に一人で観ることになった。
「あのね、実は私、好きな人がいるんだ」
「え!だれ?」
「先輩なんだけどね、いま日立の工場で働いてるの。私もそこで働くんだ」
すっかり絶望してしまい、電話を切った後、電話ボックスの中にしばらく座り込んでしまった。
一時間くらい経っただろうか。電話ボックスの中に財布を取りに来た女性から心配された。
自転車でどこを走っているのか分からなかった。気がつくとA子の家に向かっていた。
僕の青春は、自転車でA子の家を見に行くことで、いつの間にか終わってしまったのだ。

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