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Toom
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んり

吉田賢太郎
世界はひとつじゃない。
きみが見ている景色も、きみ自身の正体も
本当は、何重ものレイヤー(層)でできている。
1. 「分かれる」のは「守る」ため
心がバラバラになりそうなとき、
記憶がどこかに飛んでしまうとき、
それは「壊れた」んじゃない。
耐えられないほどの痛みから、
いちばん大切な「いのち」を隠して守るための
脳がくれた、精一杯の防衛プログラム。
複雑な痛みを抱えた心が、いくつもの自分に分かれるのは、
きみが今日まで生き延びるために必要だった「強さ」の証なんだ。
2. 正解は、きみの「解釈」の中に
「社会はこうだ」「普通はこうだ」
誰かが決めた物差し(解釈)に、自分を当てはめなくていい。
夜の闇を「絶望」と呼ぶか、「夜明け前」と呼ぶか、
そのペンを握っているのは、いつだって自分自身。
「男か女か」なんて枠組みも飛び越えて、
「ただ、目の前のひとを愛する」というパンセクシャルの光のように、
世界の色を塗り替える力は、きみの眼差しの中にある。
3. 多重化するリアルを抱きしめて
ネットの中の自分、学校での自分、誰にも見せない自分。
どれかが偽物なんじゃなくて、全部が本当のきみ。
リアルは多重化していていい。
一貫性がなくたって、バラバラのままだって、
そのすべてを抱えたまま、きみは存在していいんだ。
結び
水谷先生が夜の街で探していたのも、
あやさんが日記に刻みつけたのも、
「どんな姿のきみでも、そこにいていい」という祈り。
世界がどんなに冷たく見えても、
きみの「解釈」ひとつで、明日の色は変わり始める。
きみは、きみのままで、
この多重な世界を、自由に泳いでいける。

ありす🫧✨

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