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きは
図書館本の多いひと月
『コード・ブッダ』円城塔
『本なら売るほど 1・2』児島青
『円』劉慈欣
『プロトコル・オブ・ヒューマニティ』長谷敏司
『ナイフ投げ師』スティーヴン・ミルハウザー
『「若者の読書離れ」というウソ』飯田一史
『細菌が人をつくる』ロブ・ナイト
『エレファントヘッド』白井智之
『あさってのニュース』北村みなみ
『読書アンケート2024』みすず書房
『ハーモニー』伊藤計劃
『死の島 上・下』福永武彦
以前から知っていたものの、原爆というテーマに怯んで手を出せずにいた福永武彦の『死の島』
8月という季節に背中を押されて読むことに。
舞台は敗戦から8年後の昭和28年。
出版社に勤める相馬鼎が出会ったのは、広島で被爆した過去を持つ画家・素子と、彼女と同居する清楚な箱入り娘・綾子。
双方に惹かれ、一体己はどちらを愛しているのかと逡巡する相馬のもとに、2人の女性が広島で心中したとの知らせが届いた…
作品中で進行する相馬視点の実時間は、僅か24時間。しかしその中には、彼が執筆している小説の断章や、人物の独白などが挿し込まれ積み重なり、さながらミルフィーユのよう。
現実と小説世界を、現在と過去を行きつ戻りつしながら、相馬は広島へと向かう――
どろどろと暗く凝った残酷さと、明るく叙情的な希望と、どちらの印象をも残す作品でした。
この先しばらく、広島や原爆、戦争と平和に意識が向く時は、この作品の人物たちを通して見てしまうだろうという気がします。
#読書 #読了

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