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モ!
「音楽の間に音のない音があるわ」
青いドレスを着たアリスはジョンにそう告げた
ジョンは耳を澄ましたが音と音の間に音は聞こえなかった
「行と行の間に言葉があるわ」
ジョンは目を凝らしたり、本のページの下から火で炙ったりしたが文字はついに浮き出てこなかった
「あの夕日が高い塔の横をすり抜ける時
後ろのヤシの木の黒い影は同時には見れないわ」
ジョンはヤシの木の裏まで走って
「同時に見えるよ」
と言ったがどういうわけかアリスには無視された
「観察されないものは観察されない間は存在しないのかしら?」
アリスはジョンを見た
ジョンは言った
「なに?どういうこと?」
「音は何のためになると思う?」
アリスは言った
「言葉は何のために紡がれるのかしら」
ジョンの答えを待たず言った
「私たちの視界の後ろ側は、誰のために存在するのかしら」
ジョンは何か言おうとしたが、結局何も言わず
アリスの横に立ち、不思議な形を手で作り、腰をかがめた
「アリス、見て」
ジョンは注意を促した
「あら」
そこには、ジョンの形の影はなく、まるで猫のような影ができていた
ものものがたり ~モ!の物語~
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