沖縄エンジョイイレブン、可愛すぎ｜こまめの投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

【小説家さんと映画デートをする】２
#まる婚活

一日待って、二日、三日、四日、五日と待って…やっぱり駄目じゃん。あの人からライン来ないじゃん、と思った矢先。
彼からポツンとラインが来た。

「ラインの時間は何時から何時にするべきでしょうか」

目が点になる。

なるほど…。

おばちゃんが言っていた「婚活初心者」の片鱗が見えた。

普通に読むんだったら「ラインを送っても迷惑にならない時間帯を教えてください」という意味だと思う。

しかし彼のメッセージについている「何時にするべき」の「べき」という部分に

「何時から何時までをライン専用時間として決め、お互いにメッセージを送る合うべきでしょうか！？（敬礼！！）」という意味に錯覚してしまった。

彼は女性とどうラインを送り合ったらいいのか分からないのだ。
一人で一週間、悩みに悩んで、絞り出した言葉がそれだったのだ。

私はそれに対して返信する。

『気が向いた時でいいですよ。
　私も気が向いた時に返信します。
　突然の用事だってあるでしょうし、時間を決めると大変です。
　深夜に送ってもらっても、サイレントモードにしてますから気にしなくても大丈夫です。
　翌日の空いた時間に返信しますよ』

すると彼から返信が来る。

「わかりました。
　そういえば、お会いした時に明日は『予定がある』って言ってましたよね。
　なので明日はラインを送りません」

送らない報告かーい！！

『お気遣いありがとうございます。でも全然送ってもらって大丈夫ですよ。予定が終わったら返事しますから！』
「わかりました」

そして彼からラインが来た日は終わった。
とりあえず一週間ラインが来なかったわけではないので、彼のことはもう少しやり取りを続けることにした。

あとは成り行きに任せようと思う。
私も彼が気になったらラインを送るし、彼も私が気になったらラインを送ればいい。
お互いに気がなくなって送らなくなったらそこで終わりだ。

私は彼に時々ラインを送り、彼も時々送ってくる。

それも全部業務連絡。
「今日は会う日を決めましょう」は２～３往復で終わり。
「今日は会う場所を決めましょう」で１日を費やす。
「今日は待ち合わせ時間を決めましょう」で話題が尽きた。

営業スマイルすらない、味気ない文章が行き来するだけだった。