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ただくまー

ただくまー

この人苦手だなぁと思った瞬間この人苦手だなぁと思った瞬間

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その夜、僕はいつものように、行きつけのバーで一杯飲んでいた。雨が降り続ける音が、窓を叩くかすかなリズムとなって、まるで誰かの呼吸のように心地よい背景音を作っていた。店内は薄暗く、カウンターの端に座ると、誰にも邪魔されることなく自分の世界に浸れるのが気に入っていた。

しかし、その夜は少し違った。僕がバーボンをちびちびと飲みながら、雑誌をパラパラとめくっていると、隣の席にいつの間にか男が座っていた。彼は細身で背が高く、顔には年齢不詳の疲れが漂っていた。僕に向かってニヤリと笑うと、すっと手を差し出してきた。

「僕は田中です」と彼は言った。声は穏やかで、まるで今この瞬間が何年も前から決まっていたかのように自然だった。しかし、その笑みの奥に微かな不快感が忍び込んできた。「この人苦手だなぁ」と思った瞬間、背中にひやりと冷たいものが流れた。

僕は名乗りもせずに、ただうなずくだけだった。それでも彼は構わず話し始めた。彼はまるで僕のすべてを知っているかのように、僕の好きな音楽や読んでいる本について淡々と語り出した。どうしてそんなことを知っているのか、全く見当がつかなかった。

「あなたのこと、ずっと前から知っているんです」と彼が言ったとき、僕は初めて真正面から彼の目を見た。その目はまるで深い井戸の底を覗き込んでいるかのように暗く、底知れない何かがそこに潜んでいるようだった。その視線に絡み取られると、逃げ場がないような気がして、僕は思わず目をそらした。
「どうやら雨が止んだみたいですね」彼がそう言うと、僕も無意識に窓の外を見た。しかし、外はまだ雨が降り続けていた。奇妙な沈黙が流れる。何かがおかしいと感じたが、うまく言葉にできなかった。
「じゃあ、そろそろお別れですね」と彼がふいに言った。僕は、何が「お別れ」なのか理解できないまま、彼の言葉にうなずいた。彼はニヤリと笑うと、ふっと消えるように店を出て行った。その背中を見送ったあと、妙な気持ちが残った。まるで彼がここにいたことすら、幻だったような感覚だった。
翌日、僕は店のマスターに彼のことを尋ねてみた。マスターは不思議そうな顔をして「昨夜はあんた一人だったじゃないか」と言った。
僕は返事ができず、ただ黙り込んだ。
そして、あの男の「この人苦手だなぁ」と感じた瞬間のひやりとした感覚だけは、いまだに僕の背中に張り付いて離れなかった。
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コメント

ヒソカ爺

ヒソカ爺

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バーボンの前に何種類の酒を飲んだかによる

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ただくまー
ただくまー
あんた! 鋭いわね!! シャープペンシルの 生まれ変わりね、さては!!
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🌹那由多🌹

🌹那由多🌹

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まさか 憑いてた人なのかな😱

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ただくまー
ただくまー
彼が憑いてた人なのか 僕がツイテル人なのか それはなんともわかりません[照れる]
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OBK

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ただくまー
ただくまー
おーびーけー?ほーん? ああっ! 小保方さんですね、わかります。 スタップサイボーグですね[照れる]
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その夜、僕はいつものように、行きつけのバーで一杯飲んでいた。雨が降り続ける音が、窓を叩くかすかなリズムとなって、まるで誰かの呼吸のように心地よい背景音を作っていた。店内は薄暗く、カウンターの端に座ると、誰にも邪魔されることなく自分の世界に浸れるのが気に入っていた。