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哲

#その2
#その1からお読みください
部屋は6人部屋で、僕のベッドは入り口から1番遠い窓際。左側のふたつのベッドには真ん中に1年生くらいの男の子、その隣に4年生の男の子。
向かい側は真ん中が空いていて両隣が女の子、みんな年下だった。
女の子のベッド側の壁は1面ガラス張りで、その向こうはナースステーション。常に看護師がいた。
病状とその原因を知ってか知らずか、看護師も女医もみんなとても親切で優しかったことを今でも覚えている。
入院して数日、その夜も声を殺して泣いていると、誰かが布団の中に手を入れた感触があった。
少しして泣き止んだ僕が手が入ったと思われるあたりにそっと手を伸ばすと、そこにはクッキーがふたつ。
絶食中の僕にそんなものを、しかも夜中にくれる大人は絶対に居ない。
布団から顔を出し当たりを見渡すと、向かい側のベッド。足のやけどで入院していたひとつ年下の女の子がナースステーションの明かりの中ニコッと笑い軽く手を振ったのが見えた。
#つづく
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#その2