自宅で堪能した『OLD』の感想と魅力

【立つ鳥跡を濁しまくる２】#愚痴

婚活で引っ越しと転職を視野に入れている私にはおじさんの言うようにこの会社に30年は勤められない。

こんな田舎で今の生活スタイルを変えずに素敵な人に出会うなんて無理だもの。
遠いか近いか、結婚相手が見つかればここを辞めてどこかに行かないといけないというのは常々思っていた。

ほとんど「会社と結婚」みたいな状態じゃないとこの会社を革命なんてできない。
そこまでこの会社に尽くせないよ。

だからそんなに熱く語るおじさんが私を無視するようになったということが、
私を含めたこの会社への「失望」と「決別」なのだと理解した。

おじさんからは
「転職が決まったからもう新しい世界へ向けて気持ちを切り替えよう」とか
「（愚痴を聞くばかりで何も行動しないお前や）こんな会社とは関わりたくもない」
という意思表示が見えた。

私が話しかけても「知らん！」と逆に怒ってくる感じ。
今までツンツンした態度のふてぶてしい猫がある日、本気で毛を逆立てて威嚇してきたような…そんな悲しい気持ちになった。

本当にうちの会社はクソだし、
おじさんは本当に立派な会社から来た人だから仕方ないと思っていた。
おじさんを刺激しないよう、無言で送り出そうと思った。

しかしそれからしばらくして、私は会社の上層部に呼び出されていた。

「どうしてこんなことをしたんだね」と怒られていた。

どうしてもなにも、全く状況が掴めていなかった。

「お前の席は判子の近い場所にある。
他の社員がいなくなる昼の休憩時間でも、ずっとデスクで電話番をしているのはおまえしかいない。
会社で一人きりになれる状況を作り出せる。

そしてお前はあいつと仲良く話をしている。
状況的にもそれが可能で、行動理由としてもお前なら説明が付く。

だから犯人はお前しか考えられない。

…あの男が作った見積書に、黙って会社の判子を押したな」

覚えがなかった。
どうやら、おじさんが勝手に見積書を作って、私が判を押して、どこかに請求している…ということのようだった。

「確かに会社に入る金額が上がるのは良いことだがね…
勝手に黙って会社の判子を使うことが問題だと言っているのだ！
会社のトップに断りも入れずに金額を変えるなど言語道断だ！！」

本当に覚えがなかった。
無実だと言っても聞いてもらえなかった。

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