プラセボ効果とは、薬効成分のない偽薬（プラセボ）を服用しても、それが本物の薬だと信じることで思い込み（暗示や期待）によって症状が改善したり、効果が現れたりする現象です。臨床試験で新薬の効果を正確に評価するために、プラセボ効果を差し引く目的で利用され、「偽薬効果」とも呼ばれます。痛みや不安、気分の改善など精神的・身体的な症状に反応しやすい傾向があり、効果が現れると副作用が出る「ノセボ効果」もあります。

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臼井優

2025/12/31

プラセボ効果とは、薬効成分のない偽薬（プラセボ）を服用しても、それが本物の薬だと信じることで思い込み（暗示や期待）によって症状が改善したり、効果が現れたりする現象です。臨床試験で新薬の効果を正確に評価するために、プラセボ効果を差し引く目的で利用され、「偽薬効果」とも呼ばれます。痛みや不安、気分の改善など精神的・身体的な症状に反応しやすい傾向があり、効果が現れると副作用が出る「ノセボ効果」もあります。
プラセボ効果のメカニズム
暗示効果・期待効果:「効くはず」という期待が脳に働きかけ、エンドルフィンなどの化学物質が分泌され、自然治癒力を高めるという説があります。
儀式効果:薬を処方するという行為自体が、安心感や改善への期待を生むという考え方もあります。
自然治癒力:病気が自然に治る過程と重なることで、効果があったと錯覚するケースもあります。
臨床試験での利用（二重盲検法）
新薬の効果を客観的に評価するため、参加者にも研究者にも、どちらが本物の薬でどちらがプラセボか分からないようにする「二重盲検法」が用いられます。
これにより、プラセボ効果による影響を除き、薬本来の効果を科学的に測定します。
応用と注意点
最近では、患者にプラセボであることを伝えた上で（オープンラベル）、それでも効果が見られる研究も行われています。
「病は気から」ということわざにも通じる概念で、不安や不信がノセボ効果（望まない副作用）を引き起こすこともあるため、ポジティブな暗示が重要とされます。

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