張良は劉邦の軍師として活躍し、秦滅亡後は留侯（りゅうこう）の称号を得て漢の建国に尽力しましたが、その後は隠遁生活に入り、実務からは退きました。彼は劉邦の晩年、「黄石公三略」を授けられた逸話で知られ、恵帝の死後にはその才を発揮する機会もありましたが、基本的には世俗を離れて仙人のような生活を送ったとされ、その子孫も続きました。

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臼井優

2025/12/25

張良は劉邦の軍師として活躍し、秦滅亡後は留侯（りゅうこう）の称号を得て漢の建国に尽力しましたが、その後は隠遁生活に入り、実務からは退きました。彼は劉邦の晩年、「黄石公三略」を授けられた逸話で知られ、恵帝の死後にはその才を発揮する機会もありましたが、基本的には世俗を離れて仙人のような生活を送ったとされ、その子孫も続きました。
主な活躍とその後
劉邦への仕官と秦打倒：秦の滅亡を望む韓の遺臣として、劉邦と出会い、その天下統一を支える軍師となります。嶢関の戦いでの「疑兵の計」など、数々の献策で劉邦を助け。
漢の建国と留侯：劉邦が漢王として天下を取った後、張良は功績により「留侯」の爵位を授与されます。
隠遁生活へ：秦の滅亡後、項羽との楚漢戦争が勃発する中で、彼は「これ以上世俗に関わるのは危険」と判断し、劉邦に「死後、私の封地（留）は不要。代わりに良薬を賜りたい」と願い出て、劉邦もこれを許しました。
黄石公との出会い（有名な逸話）：下邳（かひ）の橋で出会った老人に靴を投げつけられ、拾いに行かせるという「黄石公（こうせきこう）」の試練を受け、「太公兵法（太公望の兵法書）」を授けられました。この経験が彼の老荘思想や戦略の根源になったとされます。
晩年と死：恵帝の時代には、その才を陳平らに示す逸話もありますが、多くは世俗を離れて過ごし、仙人の境地に至ったと言われています。
子孫
長男の張不疑が爵位を継ぎましたが、後に不敬罪で爵位を失います。
彼の後裔は、後漢時代や三国時代にも文人や武将として現れ、張翼（三国志）などもその末裔を称しました。
まとめ
張良は、劉邦に「王佐の才」と称された名軍師でありながら、天下統一の過程で自ら世俗から離れ、隠遁と老荘思想の探求に生涯を捧げた人物として、中国史にその名を残しています。

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