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いぬひこ

いぬひこ

冬の光は、選ぶという行為さえ
そっと雪の粒みたいに沈めていく。

並ぶ影は記憶の形をしていない。
ただ、風に揺れる色と質感だけが
名前を持たないまま、胸のどこかを撫でていく。

ガラス越しに瞬く灯りは、
未来でも過去でもない“いま”だけを映して、
触れられない温度を静かに重ねてくる。

手に取るはずだった何かは、
風に解けて別の景色になり、
足元の影だけが、そっと時間を延ばしていく。

──買い物という響きさえ、
季節の膜を透かして消え、
光の余韻だけが、静かに残った。

#AIart #詩作品 #情景抽象 #光の記憶
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