土曜日。母親は家の中で遊んでばかりいないでプリン公園にでも行ってきなさいと言う。クラスのお友達がよく遊んでいるらしいから。息子はイヤだと言って断る。それでも母親は公園行きを勧める。一緒について行ってあげようか? それはもっとイヤだ。しばらくゆるい押し問答が続き、やがて落ち着く。結局家から出ない。江戸時代の怪談でも読もうか? 今度は僕が言う。国書刊行会の叢書江戸文庫の『百物語怪談集成』を読んでいたところだ。うん、読んで、と息子がそばに寄ってくる。何篇か選んで、まず文語体の原文をキリのいいところまで語り、適当な現代文にして聞かせる。『京東桐院かた輪車のこと』の結末に慄き『万吉太夫ばけ物の師匠となる事』の知恵に感心し『ねこまた伊藤源六が女ばうにばけたる事』に頭を悩ませ『西の京陰摩羅鬼の事』でこの掴みどころのない存在の姿形に想いを馳せる。その夜息子は原因不明の吐き気に襲われ、今日の午すぎまで食べては吐くを繰り返した。多分ウィルス性の胃炎か何かだろう。あるいは目に見えない妖か何かにあてられたか。 #国書刊行会 #怪談 ※最近ネタ切れ気味なので昔の投稿を再掲
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土曜日。母親は家の中で遊んでばかりいないでプリン公園にでも行ってきなさいと言う。クラスのお友達がよく遊んでいるらしいから。息子はイヤだと言って断る。それでも母親は公園行きを勧める。一緒について行ってあげようか? それはもっとイヤだ。しばらくゆるい押し問答が続き、やがて落ち着く。結局家から出ない。江戸時代の怪談でも読もうか? 今度は僕が言う。国書刊行会の叢書江戸文庫の『百物語怪談集成』を読んでいたところだ。うん、読んで、と息子がそばに寄ってくる。何篇か選んで、まず文語体の原文をキリのいいところまで語り、適当な現代文にして聞かせる。『京東桐院かた輪車のこと』の結末に慄き『万吉太夫ばけ物の師匠となる事』の知恵に感心し『ねこまた伊藤源六が女ばうにばけたる事』に頭を悩ませ『西の京陰摩羅鬼の事』でこの掴みどころのない存在の姿形に想いを馳せる。その夜息子は原因不明の吐き気に襲われ、今日の午すぎまで食べては吐くを繰り返した。多分ウィルス性の胃炎か何かだろう。あるいは目に見えない妖か何かにあてられたか。 #国書刊行会 #怪談 ※最近ネタ切れ気味なので昔の投稿を再掲