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しん
“この世界は仮のものだ”という考え方の前提は、むしろこの世界が実在するという事実を強くしている。
別の種類の実在世界(=超越的世界)がある、ということは絶対に証明できない。
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■第二命題
「真の世界」と呼ばれてきたものは、実は“無”の印(しるし)にすぎない。
真の世界という発想は、現実世界を否定することから生まれたが、その否定こそが道徳的な錯覚であり、結局は“仮の世界”にすぎない。
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■第三命題
もし私たちの中に
「この現実を誹謗し、疑い、価値を低める本能」
が強くないなら、別の世界を作り話する意味はない。
その本能が強い場合、私たちは“より善い世界”を作り出して、この世界を復讐する——
つまり、嫌悪から空想の理想世界を発明する。
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■第四命題
世界を「真の世界」と「仮の世界」に分ける考え方は、
キリスト教でもカント哲学でも、“デカダンス=生命力の衰弱”の徴候にすぎない。
芸術家が仮象を好むことは反論にはならない。
なぜなら芸術家が扱う“仮象”は、むしろ現実を選び・評価し・高めた形であり、
現実のより強い形態にすぎない からだ。
悲劇的芸術家は、幻想家ではなく、
恐ろしく疑わしい現実そのものへ、まっすぐに「イエス」と言う者である。
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