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ぐもるく

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「肖像(顔)を欠いた写真(実写)人体は、ただの事実であり、事実を絵に描くことは、写真内の創作意図を奪うことではない」


江口寿史擁護キャンペーン中。


君は、新しい洋服を着た恋人を魅力的に写真へ収めようと晴れた日にふたりで公園へでかけ、恋人を噴水の前へ立たせた。
強い太陽の光が後ろに並ぶ木々の緑を濃くさせ、吹き出す水をキラキラと輝かせている。
これらをバックに画角へ収めれば、恋人の爽やかな笑顔、魅力が更に引き立つだろう。
ポーズは指定してしまうと不自然さが目立ってしまう。
表情も然りだ。
何気ない動作と表情を見逃さないようカメラの液晶を覗いたまま、照れ臭そうにしている恋人と会話を始めた。

「大好き」

会話の途中で唐突に発した君の言葉を聞き、照れた雰囲気を突き破った弾けるような笑顔をみせた恋人を見逃さずにシャッターを切った。
液晶画面に写しだされた画像には、濃い緑と中空に輝く乱反射した光、そして、嬉しさいっぱいの笑顔が並ぶ素敵な一枚となった・・。


茶番はここまでだ 笑

ここでの創作意図は恋人を素敵に撮ること。
恋人の魅力を増させる為に、森林、噴水、表情、人体、しぐさなどの事実が画角内にバランスよく配置する構図をとり、更に魅力を浮き立たせた。

ここで噴水のみをトレースし他者にみせてみる。
トレースされた噴水から"恋人を素敵に撮る"という創作意図、表現は感じられるだろうか?

恋人の身体のみをトレースしてみる。
肖像(顔)のない身体から"恋人を素敵に撮る"という創作意図、表現は感じられるだろうか?

恋人の肖像(顔)のみをトレースしてみる。
その笑顔は素敵でとても嬉しそうだ。
恋人を素敵に撮るという創作意図、表現が全てではないが伝わってくる。

この写真における創作表現の主体は恋人の笑顔にあり、その他の写る全ての創作的選択は恋人の表情(魅力)を引き立たせる為に存在するものだ。
肖像(顔)を失った時点で全てがその本来の目的を失い、ただの事実となりうる。

ファッション雑誌内の写真も同じ原理だ。
モデルの肖像から再び写真全体へ帰り、素敵なモデルが身につける商品へ注目させる効果を狙っている。

この一連の創作表現が人体トレースによって感じられることはない。
それぞれが単体である場合、肖像(顔)以外は、この写真が意図する選択的表現を他者が感じる術はなく、単なるそこにある事実にしかみえない。

だからこそ今まで騒がれたりしなかったのだ。
金井の一件により注目されるまでは。
過去の作品群はただの事実を技法の一つとしてトレースしただけであり、描かれた線、色彩、雰囲気全てが江口寿史の才能を通したものだ。
決してパクりではない。

事実のトレースは写真内の創作意図を奪うものではなく、又、写真作品の創作意図を感じさせるものでもないのである。

形だけをとりあげ、表現の意図を汲み取れない司法であるのなら、そこにアートを裁く資格はない。

#江口寿史
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