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ぐもるく

ぐもるく

思いだしそうで思いだせない。

表象を漂っているのに、掴もうとするとヒョイと身をかわし、脳の隙間へ逃れようとする。
何度か繰り返しているうちに、完全に隠れ見えなくなってしまった。
仕事の予定や誰かとの約束事ではない、もっと別の、何かとても大事なもののような気がして、思いだせないことに少し気分が下がる。

マクドナルドの店内、店員がテーブル席へ着く客へ何やらアンケートらしきものをお願いして回っている。
話かけるんじゃねぇとのオーラを精一杯かもしだしているうちに、その大事な何かは脳内からも消え去った感触がした。

寝不足ではっきりしない頭を起こそうと入ったマクドナルドで注文をしたバニラシェイク。
昼時まであと1時間、それまでには退散する気でいる訳だが・・・僕がいるテーブル席の前に10代らしき男女のカップルが座った。
カップルはテーブルを挟むことなく、横並びに座り、僕を伺った。
つまり、カップルと僕は双方の椅子とテーブルを挟んで向き合っている形だ。
なんだい?一体どんなショーを観せてくれるんだい?と、その挑発的な様子を楽しみながら、まずは登場人物の様子をこの投稿を書きながらそれとなく観察してみる。
男は黒髪のドレッドヘアで柴犬みたいなのぺっとした顔をし、常に口を半分開けている。
女は肩まで伸びた髪を茶色に染め、アラレちゃんのような大きな黒縁の眼鏡をかけ、薬指の付け根辺りに何かの小さな刺青がみえた。
2人共に顔の造りが幼い。
雰囲気的に高校生・・いや、今日は月曜日だ、髪型や髪色といい、通信高校か定時制、又は学校へは行っていない感じがした。

ハンバーガーを食べながら、少女は少年がいじっているスマホ画面を伺うフリをしつつ、少年の肩へ頭をもたれかけている。
そして少年の耳元で何かをヒソヒソと呟いてはニコっと笑う。

「私はあなたが大好きです」

少女のオーラが少年へまとわり着いているかのようにみえた。
少年はそんな少女を気にも止めずにスマホをいじりながらハンバーガーを・・あ、ずっと口を開けているのに、食べる時はちゃんと閉じるのね、エラいぞ、少年。

時折りみかけるありがちな光景に、そろそろタバコが吸いたくなってきた。
バニラシェイクの糖分のおかげで頭も覚めてきた所だ。
チラッ、チラッっと僕を伺う様子をみせる少女のオーラに背中を押され席を立つことにした。

文字数。

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