小学校時代、あなただけが私の名を呼んでくれた

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ゆうゆう

2025/03/05

小学校。
入学した当時からいじめを受けていた。
悪いあだ名を付けられ、学年の殆どがそう呼んでた。
でも、君は違った。
ちゃんと名前で呼んでくれたし、遊びにも誘ってくれた。

中学校。
いじめのトラウマから抜け出せなくて、不登校を引きずってた。周りも少し変わって、優しく声をかけてくれてたのに、それを無下にしてた。
優しい君だってそうだった。不思議と趣味があって、自然と喋ることが多かった。いじめのトラウマより親の方がキツいことも言った。君は家に上げてくれて、心のよりどころになってくれた。
そんな君の事が、いつの間にか、好きになってた。
弱ってた心に刺さっただけかもしれないけど、その優しさが大好きになった。
高校だって、君の事を追いかけた。もちろん、二人とも受かった。

高校生。
一年生。同じクラス。ずっと君と喋ってた。その喋る時間がとてつもなく幸せだった。一緒に出かけることも多かったし、ますます好きになった。

2年生。同じコースを選んで、同じクラスになった。お互い学校で友達もできて、喋ることが少し減った。だけど、オープンスクールを一緒に行ったり、共通の友達と混ざって喋るのが増えた。修学旅行は、その共通の友達と班を組んで、楽しい時間になった。2人で喋る時間も、もちろんあった。

その年の、クリスマスイブ。
家で一緒に遊ぼうって言われた。
本当にいいのって聞いた。
「ゆうゆうとなら構わないよ」って言われた。
期待しないわけがなかった。

家を出て、別れる直前。
将来の話をした。
当然、進路はほぼ確実に、別々になる。
それが悲しくて、寂しくて、怖くて、抱き締めてしまった。

君はこう言った。
「ゆうゆうって、私の事好きなの？」って。
君の肩で頷くしかできなかった。
そうしたら、君は答えてくれた。
「私も」って。
全部バレてた。
それが恥ずかしかった。
でも、それ以上に、嬉しかった。

付き合って2ヶ月。
君の学校での当たりが強くなった気がする。
でも、一緒に帰る時、人目につかないところでは、少し甘い。
その甘さに溶かされてばかりの俺は、どうしょうもなく君が大好きなんだ。

ようやく叶った恋。
恩という強い想いで満たされただけの愛情。
それだって構わない。

別れないといけない日が来るのかもしれない。
それでも、こんなにも好きになるのは、きっと君だけ。