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アメジスト

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こんにちは。
読書記録です。

J・S・ミル
自由を探究した思想家
関口正司 著
中公新書

ミルの没後150年を記念して出版された本です。
前半の3つの章は、ミルの思想形成過程をたどる伝記的内容となっています。
その後の3つの章では、『自由論』、『代議制統治論』、『功利主義』という成熟期のミルの代表的な3つの著作を、書かれた順に取り上げています。
最終章では晩年のミルと生活と仕事の様子を素描しています。
ミルの功利主義は、個人がしてはならないことは、社会が義務として定め強制するものの、望ましいものとして個人に期待される行為は、社会の中で推奨され賞賛されはするが、強制はしてはいけないものとしています。
それは、社会改善の歴史全体が、これまでどういう一連の変化だったかといえば、社会の存続にとって最も必要だと考えられていた慣習や制度が、次々と例外なく、不正と専制の烙印を押されるところまで成り下がっていくものだったというミルの理解によるものです。
道徳的な観念や感情を先天的で固定的なものをする見方を批判して、歴史的な変化に応えながら人々の幸福の増大を目指す効用の原理を対置することが、功利主義の意図だからです。
また、ミルは人間は有徳さの高みを目指せる存在であり、人間が自律的に発展することこそがミルが探究した自由であるといえると思います。
例えば『代議制統治論』のなかで、選挙資格について、識字能力と一定程度の納税をしていることが必要条件と述べています。投票は公共の利益に判断を下す行為だから、判断能力が必要である。また、公金の処理にかかわる判断でもあり、歳出と納税者の負担との関係を意識するという責任の自覚が必要であると述べています。
ミルのなかで、自由を探究することと、理想を目指すということは、セットであったということだと思います。
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#ミル
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コメント

はぐれ-ANGEL

はぐれ-ANGEL

1 GRAVITY

ミルについては恥ずかしながら名前しか存じ上げておりませんでしたが、Amethyの秀逸な解説のおかげで、彼の思想を感じることができました。

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アメジスト
アメジスト
ありがとうございます。 少しでも参考になっていただけたのなら、嬉しいです。
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こんにちは。