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柚𐂂
そんな人間の定めとして、やはり学生時代にはいじめを受けた
小学生の頃はいじめられていることに気づけないぐらい馬鹿で毎日を自分なりにエンジョイしていた。いじめられていたとはいえ、やはり周りも馬鹿だから一緒に遊ぶ仲間ぐらいはいたのだ
中学になると明確ないじめが始まった
席を外すと必ず持ち物が何かなくなっていたし、グループ分けの時はいつでもひとりで余っていたし、いつもどこかからくすくす笑いながら馬鹿にする声が聞こえていた
当時は私の性格も激しくて言い返したりやり返したりもしていたのでそれほどエスカレートはしなかったけれど、それでもナイーブな時期にいじめを受けたことはとてもきつかった
学校に行けなくなって数日休んだこともあった
そのときは父が『火の鳥』を全巻買ってくれて、「これを帰ってきてからの楽しみにしていいから、行きなさい」と言った
マンガを買ってくれたから、というよりも、父が怒ったときのこわさを知っているから、しぶしぶまた登校し始めた
でも、もう心は限界だった
もともと読書は私の心の支えだったが、まるで依存症患者のように本に頼るようになった
登下校中も休み時間も朝礼の間も授業中も、本を手放せなかった。本の世界をすぐそばに開いていないと、現実の冷酷さに押しつぶされるような気がした
教師に本を取り上げられると、必死に縋りついて取り返そうとした。その惨めな姿をまたクラスメートに馬鹿にされたけど、それでもやめられなかった。本だけが救いで、本だけが唯一の理解者だった
中学2年生のとき、「あなたはいじめられていますか?」というアンケートの「はい・いいえ」の選択の真ん中に丸をつけて提出した
担任はすごく困った顔で放課後に私を呼び出し、「いじめられる側にも原因があるんだよね。いじめてるかもしれない子から話聞いたんだけどさ、ずっと本読んでるんだって?話しかけづらいからつい仲間外れにしちゃうって言ってた」と言われた
順番があべこべである
いじめられて居場所がないから本を読んでいたのだ。その子はただテキトーに理由をでっち上げて語っただけで、それをそのまま鵜呑みにする担任に不信感が募った
大人という生き物を心底嫌いになった瞬間だった
コメント
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トッキ
流石にこれはイキヅラすぎる

🦒𝑺

あんま
アリじゃないよ

ももも

みーち

ばっし
今日寒いねー。風邪引かないようにねー
#いとはとーく

ゆん
弾き語りめっちゃよかったです(実は行ってた)

杏奈

こう
#いとはとーく

みろ@フ
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柚𐂂 投稿者
続き書こうと思ったけど思い出して気が滅入ってきたので中断
つぐみ
なんだこの担任! 怒りが湧いてどうしようもない!! 私が柚ちゃんの担任なら何を読んでいるのか、何に興味を持っているのかじっくり話して同じ本を読んでみる。 寄り添うってまずはそういうところからじゃないの? ただでさえ孤独な子どもにこんな言い草ない。心を閉ざすだけだ。 ああああ!腹立つ!! とても辛い学生時代を過ごしたね。苦しかったと思う。 でもね、読書が出来る上に読解力が身についた大人になったこと、ひとりでいた事で豊かな感性が養われたこと。これは柚ちゃんの生涯の財産だと思うんだ! 私の周りにもけっこういるんだ。 本が読めない大人。想像力に乏しい大人。薄っぺらぺら〜だよ?笑
らるら
すごく読みやすい文章でした。それでもこの少女がこの世界に好きなものを見出だしてくれていたら嬉しいなと思いました
megane♾️
文章に引き込まれてついつい末尾まで読んでしまいました。 自分も似たような経験があり、過去を思い返してあの時はガキなりにしんどかったなぁと何とも言えない苦い懐かしさを感じました。 柚さんの文章には続きが読みたくなる何かを感じます。もしまた気が向いたら続きを読ませていただきたいです。
いーご
この定型文みたいな「いじめられる側にも原因があるんだよね」を無神経に言い放てる教師は大至急辞めて欲しい