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シノ

シノ

これは、私が一時期、失声症になった頃にあった不思議な話です。
あんまり、ホラーではないかと思いますが、一応怖い話の分類にいれておきます笑

呼んで喚んで、この花や


桜が満開から徐々に散り始めたある日、私達家族は福島のとある城付近を観光していました。
前を歩く父の背を見ながら、ぼんやりした私のすぐ横を歩く母と、逆隣を歩く弟。
後ろは兄があちこちの写真を撮りながら歩いていた

父「もうちょっと早く来れたら景色もっとよかったのになぁ」
母「十分綺麗じゃない」
弟「おー」

わいわいなる中、微かに誰かに呼ばれた気がした。

私「………?」

ふっ、と、足を止めても、家族は気づかない。家族の声が遠く聞こえる。

変な感覚だった。

膜ができたかのように、隔たれた気がした。
ふらり、と、呼ばれるままに歩いた。

誰かが泣いてる
誰かが呼んでる

聞いてる、聞こえてるよ。

ぼんやりした頭でそんなことを思った。
ふらふらと着いた先は、大きな桜の下だった。

呼んでいたのはここからだ。
呼んでいたのは誰だろうか。

慰めるようにずっと木の幹を撫で続けた。

一方、その頃の家族はと言うと……

兄「いい写真とれ…お母さん、シノは?」
母「何言ってんの、隣、に…」
弟「は???」
父「お?」

・・・

家族「居ねぇぇぇ!?」

兄「だから言ったじゃん!ここ半分遺跡みたいな物だよ!?ぶっちゃけると墓地みたいな所じゃん!!目ぇ離すなってぇぇ!!」
母「シノー!シノー!!」
弟「隣から消える!?姉ちゃーーん!!」
父「シノだからなぁ…」

とんでもなく騒がしい団体になっていたそうだ。

結局、いないことに気付いた兄によって、私はすぐさま発見されたのですが…

発見されてから、私の両腕は弟と母にがっちり掴まれ、オマケに兄に頭を握られて車まで連行されました。
全面的に私が悪かったです…反省してます、ハイ。

そして、私が佇んでいた場所は、今も謎のままですが…父曰く、白虎隊の自刃した山が見える位置だとか…

誰が呼んだかは今も解らずじまいですが、家族旅行で観光名所に行く時は、この年になっても未だに家族の誰かに連行されてます…笑

#怖い話 #GRAVITYほんとにあった怖い話 #私の奇俸録 #私の不思議体験
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