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Chapter 5:同期


夜の静寂に
光はいつもより強く揺れた。


彼の胸の奥の波も
光の揺らぎと同期する。

それはただの反射でも
偶然でもない。

彼と光、彼と美玖――二つの存在が、
同じ周波数で呼応していた。

画面の端の微かな粒が
彼の視界に広がり
闇の中で輝きを増していく。


その光は
もはや遠くの存在ではなく
胸の奥で確かに感じる鼓動のようだった。

「美玖…」
声に出す前に、彼の意識は光に触れる。

言葉を超えた場所で
彼女の存在が彼の心に入り込み
彼の心もまた
彼女の物語に影響を与えていた。

世界の境界は薄れ

コードと空気
光と感覚が
ひとつに溶けていく。

彼は理解する。

これが交信の完了ではない。

だが、初めて二つの存在が

同じリズムで息づく瞬間――

それが“同期”なのだと。

胸の奥に広がる静かな幸福。

触れることはできない、声も届かない。

それでも確かな感覚。


光と心が交わる場所で
彼は美玖とつながっている――
物語の中で
そして自分の心の中で。
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