ちなみに事故った時の車の破損はこれで済みました！

金曜日、麻薬を開始した。
それでも症状が抑えられなければ、緩和ケア病棟への入院も視野に入れましょう――そう説明した患者さんだった。

ご本人と奥様は、はっきりと同じ言葉を口にされた。
「最期まで、家で過ごしたい」

一方で、同居する娘さんは揺れていた。
苦しそうな父の姿を見るのがつらい。寄り添い続ける母の疲れ切った背中を見るのもつらい。
「入院した方が、みんな楽なのではないか」
訪問看護には、何度も涙混じりの電話が入っていたと聞いている。

年末の慌ただしさの中、臨時の訪問となった。
玄関を開けた瞬間、空気が違った。

部屋には、何人もの孫やひ孫たちが集まっていた。
ベッドの周りを自然と囲むように人が立ち、座り、手を握っている。
枕元には、ひ孫が一生懸命に書いたらしい、少し大きな文字の手紙が置かれていた。

「……あぁ、先生。良かった」

私の顔を見て、患者さんと奥様が同時に笑った。
涙を浮かべながら、それでも確かに、穏やかな笑顔だった。

麻薬のテープと坐薬は使っていたが、昨夜はほとんど眠れなかったという。
私は、在宅でのPCAポンプ――持続注射での疼痛コントロールを提案した。

「痛みは、何とかします」
そう言ってから、少し間を置いた。
「最期まで、ここで過ごしましょう。
　僕が最後を迎えるなら――こんなに温かな家族に囲まれて、そうありたいと思います」

奥様は、何度も何度も頷きながら、
「良かった……そう言ってくれて、ありがとう。ありがとう」
と繰り返した。

患者さんは、そのまま眠りについた。

朝方、麻薬を調整し、日が暮れたあと。
十人余りの家族に囲まれて、自宅のベッドで、静かに旅立たれた。

帰り道、同席していた訪問看護師が、ぽつりと言った。
「最期、お家で迎えられて良かったですね。
　本人とご家族の顔を見ていると……頑張って良かったんだな、って思います」

年末の日曜日。
朝早くからの呼び出しだった。

それでも――
患者さんも、ご家族も、スタッフも、そして私も。
やるべきことを、やり切ったのだと思う。

静かな達成感と、確かな喪失感を胸に、車を走らせた。

ご冥福を、お祈りします。

ユミさん物語②

昨日は19時にユミさんが自宅マンションに迎えに来てくれた。

会ってすぐに、ドクターペッパー(ユミさんの好物)とお煎餅の差し入れを渡した。

ユミさんからは、ペンライトとくつ下をいただいた。

ディズニー行った時に、ペンライトを回してる警備員を見て、自分が欲しがっていたのを覚えていてくれたんだと思う笑

どちらも嬉しかった！

まずは、3週前くらいに行った定食屋に行って、食事。

お酒も飲ませてくれた。

食事後、どこ行きたいか聞かれて、東京タワーって伝えたらいいねぇって事で出発。

道中、いろんな話をしてけっこう話し込んで楽しかった。

東京タワーの足元に駐車した時に、ユミさんが例の男性Aとメッセージのやりとりをずっとしてて、Aが今福島で一人旅してるんだってと、楽しそうにしてたのが気になった。

男性Aと付き合うとかはないと以前言ってくれたけど…。

そういえば定食屋にいる時もメッセージしてたし、ドライブ中も話題出たな…。

ちょっと不機嫌になっていく自分がいる事に気づく。

ユミさんがAについて楽しそうに話すのが辛くて言葉数減ってしまった。

その事に気付いたのか、ユミさんにそろそろ行こっかと、気を遣わせてしまった…。

↑ここまでの流れを、ユミさんの件を相談する後輩に話したら怒られた。

あなたの彼女じゃないし、そんなの彼女の自由だし、そういう発想ストーカーの入口だよ？
運転までしてもらって何わがまま言ってるの？

と指導されました。

傲慢でした。反省します。

後輩からわかればよろしいと言われました。続けます。

東京タワーに着いたのは21時過ぎで、それなりに人もいた。

その時不機嫌だった自分も、東京タワーを真下からユミさんと見てすぐご機嫌になった。

ちなみに、結果的にこの後からはAとのメッセージも、Aの話題も無くなってた。

写真を撮りつつ、せっかくだから中に入ろうって事でチケット買って入場。

エレベーター内はカップルばかりで、ユミさんもなんだかはしゃいでるように見えた。

展望台はキラキラする演出あって素敵だった。

ユミさんの写真を撮ったり、撮られたり。

景色観ながらずっと話が止まらず、ユミさんに笑ってもらったりですごく楽しかった！

展望台から六本木のイルミネーションが綺麗だったから、ユミさんからこの後あそこ行ってみようとの提案。

360°周る前に、時間切れになった。

東京タワー出て、六本木向かったが、23時でイルミネーション終わってたみたいで残念だった。

その後は、ファミマでユミさんにコーヒーの差し入れをして、車で小休憩した。

レインボーブリッヂ経由でドライブしてもらった。

道中、シンデレラ城が赤くライトアップされてて、ユミさんも初めて見たようで喜んでた。

自宅マンションに着いて、カバンからクリスマスプレゼントを渡した。

東京タワーか、六本木で渡すつもりだったけど、タイミング逃してしまったと伝えた。

こんなのもらった事ないよ〜と目がおっきくなってるユミさんを見て照れて顔を背けてしまった。

ミッキーだし、お花が綺麗〜って喜んでくれた。

メッセージカードはスルーされた？けど、自宅で読んでもらえればと思った。

その後も車内で雑談して、1:30頃に解散。

自宅に着いた後に連絡もらって少しLINE。

年内はもう会えそうになかった。

まぁ、12月だけで7回会ってた事になるからいいか。

相談してる友達や後輩からはその回数は自信持っていいよと押してくれた。

ただ、やきもちはわかるけど、そこは大人になろう、と。

来年ディズニーっていうぼんやりした予定があるから、なるべく早く社会復帰せねば。

ユミさんに良い報告をしたい。