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マサヤス 龍之介
☆けれど夜明けに : 植草圭之助 著 1978 2️⃣
次作「酔いどれ天使」は黒澤の一つの出世作となり、黒澤本人もそう語っている。黒澤は
…初めて俺だ!と言うものが作れた…
と言っているが、特にラストのムショ帰りのアニキ分(山本礼三郎)とヤクザの松永(三船敏郎)との死闘は殺陣も効果音もなくリアルに荒れ狂う、映画史上に残るアクションシーンとして名高い。
アニキ分がシマに戻って再び覇権を握る中で、アニキ分の服役中、代理として君臨した若きヤクザの松永は、徐々に居場所が無くなってゆく。
同時に町医者の真田(志村喬)から重度の肺結核に罹っていることを、告げられた松永は自暴自棄になって益々病状は悪化してゆく。
この映画は主人公は飽くまで町医者の真田なのだが、ヤクザを演じる三船敏郎の強烈な個性が弾けて作者の意図したことが帰って観客達へあらぬ誤解を掛けてしまい、ヤクザ礼賛と言うとんでもない批判まで浴びることになる。
それと同時にアクションスターとして三船の個性は新しい時代の顔となった。
しかし、この脚本の推敲段階では更にヤクザの松永がヒロイズムに描かれていたことが、この本の中で語られている。
物語の後半、病みほうけた松永が、兄貴分の岡田の脅迫から真田を守ろうとして、身を捨てる覚悟で岡田の前に立ち塞がるようにずいと出る、と云う強いサスペンスのかかったシーンから、クライマックスへと繋がるラストまでの一シークェンスを全面、書き直し決定稿に変更された、と云う。
植草のこの黒澤明の評伝のタイトルは、この脚本の推敲中に行き詰まり、悶々としていた或る日の明け方、植草が取材中に会った横浜中華街のインチキ医者をモデルに主人公の医者に精気を与えた、その象徴としてのタイトルだった。#日本映画




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