意識して自分を大切にしようとは、考えていませんが自分がしたい事ややりたい事を優先してます。

【運営が初心者のエセ婚活パーティーに出会いはあるのか？　２】#まる婚活

「12月11日は空いているかい？」

フミちゃんは私を自宅に呼ぶや否や、どストレートに聞く。

『…どうしてですか』
「その日は空いているのかって聞いてるんだよ
！」

いきなり萎縮する私。

そんな「空いてるか」だなんて…　先に内容を聞いてからでも良いじゃない！
男を紹介してくれるならその男の情報を聞いてから会うかどうか決めたいわよ！

心の中の私は訴えるが、それが口から出ることはない。

『…あ、空いていることも…ないです、けどぉ…？　まずは、どんなお話か、聞かせて頂いてから、じゃあないっすかねぇ…？』

下手くそながらもフミちゃんと駆け引きをしようとする私。
その内容次第では空けても構わない…　というスタンスをとる。

『私…　前日はワクチン接種だから…　無理かもしれないですけどぉ…？』

おそらく男の紹介だろう。
そうであってほしい。

その紹介予定の男の情報を聞いてから、

気分の乗らない話だったら、『私いつも副反応が酷いのでダメだと思います』と言って断ろう。

その男の情報が良さそうだったら『前日はワクチン接種だけど頑張ります！』と言うつもりだった。

…そのワクチンは【コロナ】ではなく【インフルエンザ】なので、副反応なんか全然無いのだろうけれど。

「じゃあ大丈夫だね」
『あえぇ！？』

「あたし、コロナのワクチンを接種しても副反応は無かったし、あんたよりいっぱい接種してるよ！　全部大丈夫だった！」
『…あ、あはは…』

そりゃ、フミちゃんは高齢者だもん！
30代の私と違うよ！！
と、文句を言いたかったが、フミちゃんは「あたしだって若いよ！！」と言う老人である。

小手先のテクニックをへし折られ、内容もわからず…　私はフミちゃんに休みの一日を明け渡すことになってしまった。

「実は婚活パーティーに出てほしいのさ」

おや。
フミちゃんにしては、まともな提案であった。

『どこのパーティーですか？』

婚活パーティーは何度も行っている。
その日のうちに２回参加したこともあれば、友人を連れて遠くのパーティーに参加したこともあった。
その為か全く不安は感じない。
悲しいほどパーティーに慣れきってしまっていた。

「あたしの主催するパーティーだよ！！」

一気に不安にになった。

施設での知的障害者同士の結婚について。
結婚の際に、不妊処置をする話。
なんかものすごくニュースで騒がれてますけども。

もちろん、本人たちの同意を得た上で、と話だと思うし、散々リスクとか、将来のこととか、細かく細かく施設の職員もできるだけ説明して。その当人同士の親の同意も得てるはずなんだ。

もしも、
なにもその説明もせずに、結婚したとする。

障がい持ってる方って、なかなか先の見通しを立てるのが難しいの。想像が難しいの。でも本能的に、子どもは欲しくなるの。そこの機能的には何も問題ないから、普通に子どもはできるの。で、産んで。いざ育てるってなると、想定外のことがたくさん起きるの。

瞬時にいろいろ対応できる人たちばっかりじゃないし、(できる人ももちろんいる)2人とも働けると言っても、障害枠だから満足して、余裕があるほど稼げるわけではないの。それで、養育力的にか、経済的にか、自分たちでは育てられなくなるときがくる。→施設に預ける。

で施設入所児童が増えるのよ。

絶対に、という訳では無い。ちゃんと育てられる人も中にはいるよ？ただ、こうなるリスクは伴うの。
その育ってきた施設で、長い時間関わっている職員さんがいろいろ見てきた上で、2人に完全に任せるのはリスクが高いと感じた場合は、本人たちにもそういった話は必ずすると思うんだ。
それで本人たちの同意も得た上で、不妊処置を施すのは、私はアリだと思うの。

そりゃ本人たちも、産みたい、育てたい気持ちがあっての上で、苦肉の決断だとは思うんだ。

その部分を何も知らないその『不妊処置させた』事実だけをみたメディアがこんだけ騒ぐでしょ？
極端な話、『いいじゃないか！子ども産ませてあげなよ！！侵害だ！！！』とは騒ぐけど、実際それで産まれた子が施設の入所児童になることはニュースに取り上げるほど重いことではないんか？と。子どもが増えればなんでもいいんか？と。

何度も言うけど、障がいを持ってても、ちゃんと育てられる人もいるし、頼れる機関も頼りながら、支援してもらいながらも頑張って育ててる方もたくさんいるよ？だから障がい者同士で子ども産むのが悪いって言ってる訳じゃなくて、リスクがあるよって話。
こういうニュースでまたさらに慎重にやらなきゃいけなくなって、どんどん肩身が狭くなる施設職員。負けずに支援、がんばろうね。