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Keita
#SCP #クリーピーパスタ
SCP-001-Keita — 麦橋の提言 「魂を喰らう湖」
アイテム番号: SCP-001-Keita
オブジェクトクラス: Safe → Apollyon → Tiamat
特別収容プロトコル
SCP-001-Keita-1(湖本体)は衛星監視下に置かれ、湖岸半径10km以内は強制立入禁止区域とする。
湖の年間拡張を防ぐため、財団は毎年10体のKeterクラスオブジェクトを意図的に収容違反させることで、異常な成長を抑制する。
この行為は極度のリスクを伴うが、現時点で実行可能な唯一の封じ込め手段である。
SCP-001-Keita-3(水分サンプル)の採取は禁止される。違反は即時終了処分の対象とする。
説明
SCP-001-Keita-1は直径約12km(発見時点は半径6km)の淡水湖である。
湖には一切の生物が生息していない。
湖に入った生物(SCP-001-Keita-2)は即座に消失し、数分後に湖岸に乱雑な「似顔絵」が現れる。
この絵は対象を正確に模しているが、筆致は子供の落書きに酷似し、しばしば“虚ろな表情”をしている。
拡張性
SCP-001-Keita-1は発見以来、毎年およそ10%の面積拡張を示しており、放置すれば指数関数的拡大によりKクラスシナリオを引き起こすと予想されている。
収容史
発見当初は「対象に侵入した生物が消失し、似顔絵のみ残す」性質からSafeに分類。
年間拡張が確認されると、収容不能とされApollyonへ再分類。
その後、Keterオブジェクトの収容違反によって拡張が抑制される事実が判明。これにより「かろうじて対処策が存在する」ため、最終的にTiamatへ再分類された。
実験記録(抜粋)
実験001-A
対象:D-8412
結果:侵入直後に消失。湖岸に対象の似顔絵。
実験001-C
対象:白色ラット20匹
結果:全て消失。湖岸に20枚のラットの線画。
実験001-F
対象:D-10223
結果:消失後、湖岸に描かれた似顔絵には涙が追加されていた。
実験001-P
対象:ボートに乗ったD-4431
結果:湖面上で対象のみ消失。ボートは残存。
実験001-Q
対象:D-7729(ヘリ操縦)
結果:高度30mでも影響を受け、機体墜落時に対象が消失。湖岸に似顔絵。
実験001-R
対象:D-9002
手順:容器に入れた湖水を浴びる。
結果:対象は消失。水も同時に容器から消滅。→ SCP-001-Keita-3 として指定。
SCP-001-3
SCP-001-1から採取された湖水。容器に収めても異常性を保持し、生物接触時に対象を消失させる。
接触後は即座に湖へ還元されるため、独立した収容は不可能。
実験001-3-1:指先のみ接触 → 全身消失。似顔絵は指先のみ描写。
実験001-3-4:霧吹きによる噴霧でも対象が消失。
実験記録 001-3-Ω
対象:SCP-682
結果:全身透過し一時的に消失、数時間後に再出現。
湖岸には682を模した歪んだ似顔絵が数十枚現れる。
682は復元後に発言:
「……あれは俺を喰らいきれなかった……」
「俺の一部は沈んだ。湖を育てたぞ。」
補遺 001-3-Ω-A
実験直後、SCP-001-Keita-1の面積が約17%増加。
従来の年間拡張率(10%)を大幅に上回る。
研究班は「SCP-001-Keitaは魂を吸収して成長する」仮説を最有力と認定。
O5評議会は「001-Keitaを対682兵器として利用する計画」を即時凍結。
682との接触が湖の成長を加速させた可能性が高く、むしろ世界規模のリスクを拡大するとの結論に至った。
研究員メモ
「これは湖ではなく、一つの巨大な捕食概念体だ。」
「似顔絵は魂の“抜け殻”だろう。」
「世界を守るために世界を脅威に晒す……我々はもはや収容しているのか、それとも共犯者なのか。」
結論
SCP-001-Keitaは、Safeな不可解現象として発見されたが、
Apollyonを経てTiamatに至ったことで「最後の切り札を強要する湖」となった。
異常な拡張と682実験の失敗により、財団内部では「いずれApollyonに逆戻りするのではないか」という最悪の見解も囁かれている。
補遺 001-C
長期観測により、SCP-001-Keita-1の年間10%の安定的拡張率は、以下の要因と関連している可能性が指摘されている。
湖周辺に侵入する野生動物(シカ、イノシシ、鳥類など)の消失。
湖面に落下する昆虫、魚類の飛び込み行動。
微生物レベルでの侵入(胞子、細菌、藻類など)。
これらが年間を通じて「魂の供給源」となっていると考えられる。
特に注目されているのは、19██年に植林された周辺のスギ林である。記録によれば、■■年後には同林のスギ花粉飛散がピークに達すると予測されている。
花粉は大規模かつ一斉に湖面へ落下する可能性があり、その量は既知の動植物侵入をはるかに超える。
財団生態学班は、この事象がSCP-001-Keita-1の拡張率を「年間10%」から「桁違いの指数関数的増加」へ転換させるトリガー現象になりうると警告している。
研究員コメント
「これまでの10%は“自然界の定常供給”による平衡状態に過ぎない。花粉の大量供給が起これば、湖は一気に臨界点を突破するだろう。」
「微生物や花粉すら魂を持つのか? だがSCP-001-Keitaは“生命由来のあらゆるもの”を糧にしていると考える方が筋が通る。」
「もしそうなら、世界そのものの生態活動が湖の拡張を保証していることになる。我々はこの惑星をSCP-001-Keitaの餌場にしてしまっているのかもしれない。」
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