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みおこんぼ
「紙魚」①
これは大学3回生の秋口の話です。
夏休みが明けて大学に行く私は、いつものことながらぼんやりしていました。
貧乏学生の夏休みは、まるで社会人になったように働いて終わります。
塾講師のアルバイトで夏期講習を受け持ち、隙間時間で家庭教師……ちなみに春休みはこれが引っ越しのアルバイトに切り替わります。
慌ただしい日々の中で、大学という存在が薄れていき、いざ大学が始まってもイマイチ気持ちがついていかないのでした。
どことなく現実味の無いままゼミ室に向かいます。
(早目に行ってボケた頭を切り替えるか。)と、東浩紀の小難しい本を片手に扉を開けました。
一番乗りを確信して扉を開けたのに、先客がいます。
アキオくんです。
思わず久しぶり!と言いそうになって、止めました。そもそも、私から話しかけるような関係ではないし……アキオくんは、なんだかこちらに気付いていないようだし。
目の前のアキオくんは、丁度扉を背にして座っています。何やら本を読んでいるみたいで、やはりこちらに気付いていない様子です。
ブツブツ何かを呟きながら、本に夢中なようで、文字を指でなぞったりしています。
(驚かせてみようかな。)
気紛れにそう思い、ゆっくり背後に近付いていき、いよいよあと1.5メートルという時点になって、私はギョッとします。
アキオくんの背中に、何か大きくて半透明な虫が付いているのです。大きさは5センチほどでしょうか。
(アルビノの、虫?……なんの虫だろう。)
もう少し近付いてよく見ると、どうやらフナムシのような形状の虫で、素早そうです。
長い触覚に、ダンゴムシのような体。
北海道の大自然の中で生まれた私は、フナムシのような形状の虫が、とても素早いことを知っています。
ましてやこんなに大きい虫です。ちょっと手で潰すようにして脅かせば、サササといなくなるだろうと思いました。
軽い気持ちで。
バンッ!!
虫を、叩き潰しました。
「え。」
と、私が呟くと同時に、「わぁあああ!何!?」とアキオくんが飛び上がります。
「いや、虫、潰しちゃって……。」
慌てて自分の手を見ました。
その手には、何も居ません。
「あれ、なんで……いたの!背中に虫が!追い払おうとしたら潰しちゃって。」
#GRAVITY百物語
#私の実話シリーズ

コメント
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ぶぶち
とりま禁酒だなぁ

あん☺
わたしはこれから出勤します〜!

あざ💤

カバリ
もう3鳥使うしか…w

よし

もに
ダーメェとは何か?
ダーメェは、主に日本の伝統的な文化や芸術に関連する用語で、特に特定の地域やコミュニティにおいて特有の意味を持つことがあります。以下にその特徴を示します。
文化的背景: ダーメェは、地域の伝統や習慣に根ざした言葉であり、特定の行事や祭りに関連して使用されることが多いです。
使用例: 地域の祭りやイベントでの特定の役割や象徴を指すことがあり、参加者や観客にとって重要な意味を持つことがあります。
言語的特徴: 方言や地域特有の言い回しとして使われることが多く、標準語とは異なるニュアンスを持つ場合があります。
ダーメェの具体的な意味や使用方法は、地域によって異なるため、特定の文脈や場所において理解することが重要です。

SHINちゃ
#ディアフレンズ
#iLYsDayventure
#number_i_tokyofm

短評く
ダーメェの意味は?
ダーメェは、主に日本の方言やスラングで使われる言葉で、特に若者の間で「ダメ」という意味合いを持つことが多いです。以下にその特徴を示します。
意味: 「ダメ」と同様に、何かが許可されない、または不適切であることを示す言葉。
使用例: 友人同士の会話で、冗談交じりに「ダーメェ」と言うことで、軽い注意や否定を表現することがある。
地域性: 特定の地域やコミュニティで使われることが多く、標準語ではあまり一般的ではない。
このように、ダーメェはカジュアルな会話の中で使われる表現であり、特に親しい関係の人々の間でのコミュニケーションにおいて見られます。

サバゲ
緊張感やばそう

よっち
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続き期待
タケシ
アキオ君の恩人ですね♪ 本が読めるようになってよかった