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みおこんぼ
#怖い話
「不審者」②
そんなホルン漬けの日々を送っていた、ある日の土曜日。
いつものように朝練があり、その後は金管楽器のみ個人練習でした。パートが同じでも間隔を空けて、各々楽譜に向かいます。私も家庭科室で1人、改めて自分の音を確認していました。
(そういえば、最近学校に不審者が出るんだっけ……。)
何故か唐突に、脳裏に担任の言葉が浮かびました。
「皆さん噂で聞いたことがあるかもしれませんが、一ヶ月ほど前から、学校内に写真を貼り付けて立ち去る不審者が出ています。十分に気をつけてください。」
写真。
どんな写真だったんだろう。
そう思った瞬間。
ガタッ!!!
と、掃除用具を入れるロッカーが鳴りました。
驚いて思わずそっちを見た時です。
リリリリ……リリリリ……
今度は、家庭科室にあるロッカーとは正反対に位置する内線電話が鳴りました。
立て続けに鳴った2つの音に、心臓がドキドキしながらも、受話器に手をかけます。
今までも、たまに顧問が内線電話で部員を招集することがあったので、それかなと思いました。
「はい、もしもし。」
私が言うと、聞こえてきたのは副顧問の声でした。
副顧問はホルン吹きで、その日も向かいの棟でホルンを吹いていました。
電話をしながら窓から向かいの棟に視線をやると、副顧問がこちらを見ながら電話をかけている姿が見えます。
目が、合いました。
「ホルンだけ持って、すぐにこちらに来てください。さっきの朝練の振り返りをしましょう。楽譜はこちらにありますから、そのまますぐに向かってください。」
私は了承して受話器を置き、すぐに向かいの棟へ歩き出します。
(朝練で、なんかまずいことしたかなぁ。)
副顧問はジャムおじさんみたいに温和な顔をしていながら厳しい指導をする人だったので、戦々恐々としながら歩きました。
向かいの棟に着いた時。
副顧問が、慌てた様子で私の手を引き、そのまま職員室に向かって走り出しました。
「走って!」
お互いにホルンを脇に抱えたまま、わけの分からぬまま副顧問の言う通りにします。
「何かあったんですか?」
私が言うと、副顧問は言いました。
「あなたの後ろに、不審者がいたの。」
#GRAVITY百物語
#私の実話シリーズ

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5/23(金)14:30公演《千秋楽》
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🐈アソーカ🧸🦈
実体験怖すぎー!!🥶 副顧問のみおさんが取り乱さないように咄嗟に出たその言葉、仕事出来すぎるううう🥹
@
怖い😱