おじさんへの手紙と夏の思い出｜GRAVITY(グラビティ) SNS

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投稿

けい

2023/06/10

#手紙 #ポエム

拝啓　おじさんへ

そう、あれは夏真っ只中のとても暑い日でした

繁華街の人がたくさん行き交う道のド真ん中であなたは突然私に声をかけましたね

そして戸惑う私をよそにおじさん、あなたは「君は時を止める力を持っている！」と私に向かって声高らかに叫びましたね

とても恥ずかしかったのをよく覚えています

更に「ほら、今も止めているじゃないか！ほら！ほら！」
追い討ちまでしてくださってその節はありがとうございました

これで終わりかと思いきや、「ちょっと殴ってきてみ！ほんとにやるつもりで！ほらっ！」

意味が全く分かりませんでした

でも言う通りにしたら「こうして、こう！」
あなたは急に護身術を私に教え始めましたね
ご親切に技2つも…

「違う！こうして、こう！」
本気でやらない私にやたら厳しく、何度も何度もやらされたのをよく覚えています

正直今自分の身を守りたいんですけど…と思わせて頂きました

あれはもしかしてそういう作戦だったのですか？

そして満足したあなたはおもむろにパチンコ屋に消えていきましたね

あの時のおじさん、元気にされていますか？
今もどこかで誰かに声をかけているんでしょうか？

今となっては良い思い出ですが、
あの時おじさんが無駄にした私の仕事の休憩時間の事は一生忘れません

もう二度とお会いしたくはないですがどうかお身体には気をつけてお過ごし下さい

それでは

※この物語は実話です。