どこかに就き誰かのために仕事や言動を行い、賃金を貰うこと

少し長くなりますが、父の話をさせてください。

数年前に亡くなった父のお墓参りに兄と母と行ってきた。
兄と母の前では恥ずかしくてやらなかったが、二人がいなくなった時に、5年半ぶりに娘二人と元妻と日帰り旅行をした写真を父に見せた。
ま、実際には父にというか墓石になんだが。

孫二人のことが大好きな父だった。
目に入れても痛くないくらい、という表現がピッタリなくらい可愛がってくれた。

父は脳梗塞を3回した。
一回目の時はケアマネをしていた時だが、やはり自分の父親が倒れた時は動揺した。
たまたま知り合いの医師が側にいる時に発症した為、すぐに異変に気が付いてくれ、救急車の手配をしてくれたのが不幸中の幸いだった。
リハビリを行い退院し、退院後もリハビリに特化したデイサービスを利用して体は元気になったが、脳血管性の認知症になった。
俺はケアマネだったので受入はすぐにできたが、同居している母と兄はなかなかできずにいた。
そんな中、認知症が原因で色々問題を起こし、母のたっての依頼で俺がケアマネを担当することになった。
自分の家族を利用者さんになったのは、いい経験になった。

二回目の時はもう退院できないと思っていたが、退院となった時は正直驚いた。
「家に帰りたい」
とリハビリを頑張った成果だったが入院当初の状態から考えると、奇跡的な回復と言えた。

三回目は家族皆で集まっていた時に倒れた。大好きだった俺の次女とたのしそうに遊んでいた時だった。さっきまで遊んでいたのに急に横になってイビキをかいていたので、俺がすぐに救急車を呼んだ。

奇跡はもう起きなかった。そのまま寝たきりになり、話もできなくなって、一年後に亡くなった。

病院から葬儀場に行く途中、回り道をしてもらって実家の前まで行って貰った。いい葬儀屋さんで良かった。
皆の前では泣かなかったがその車の中でだけ泣いた。

父の意識がハッキリしている時に最後に見たのが、次女の笑顔なのが俺の救いだ。父の目には天使の笑顔が映っていたのだと思うと、悲しみが和らぐ。

墓石の前で
「これからも娘二人を見守ってくれ」
と言ってやっぱり少しだけ泣いた。

しつこくて頑固だったけど
人を喜ばせるのが好きな人だった
困っている人を見過ごせない人だった

そんな親父のこと大好きだった。
今もこれからも。

長文失礼致しました。