ピーター・パン1953年版の魔法に浸る

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1953年公開『ピーター・パン』
ディズニーによる長編アニメ映画。
『ふしぎの国のアリス』と並行で製作。

現代の視点で見るとインディアンに関する
描写や女性に対する偏見や差別的表現など
問題を抱えている点は否めない。
特に後者についてはウォルト・ディズニー
自身が強い女性差別主義者だったことも
影響しているのかもしれない。
そのためかヒロインのウェンディは作中、
何かと不幸な目に遭っており、ラストで
なおもピーターに思慕を抱く描写がやや
不自然に感じられるほど。

しかしながらそうした問題を抱えてもなお
本作は一級のエンタメ作品として成立し、
高い人気を誇るからこそ、ディズニーの
新アトラクションのモチーフにもなった。

両親に内緒の真夜中の旅立ち、
空を自由に飛び回ること、
妖精、人魚、海賊、原住民、空飛ぶ船。
子どもの憧れるファクターがふんだんに
取り入れられたワクワクする冒険譚。

また本作のヴィランたるフック船長は
片手を喰われたワニに常に追いかけられ
みっともなく怯えながら逃げ回る様子が
非常にユーモラスであり、ただ憎らしい
敵役で終わらないところが妙味である。
私はディズニーヴィランでフック船長と
相方（？）のスミーくんが1番好きだ。

ウェンディと並ぶヒロインでありつつ
影のヴィランともいうべきティンカー・
ベルは嫉妬深く陰湿なイジメを次々に
行うヒール役だが、輝く粉を振りまく
軌跡が非常に美しく、動きの速さもまた
巧みに表現されている。モデルの女優が
いるらしいが、彼女もまた、ティンクの
ようにバレリーナもかくやという美麗な
動き方をしたのだろうか。
まぁ彼女の嫉妬劇もピーターの無神経で
やや幼い気性によるところもあるのだが。

そもそもピーターはウェンディが人魚から
わかりやすく集団イジメに遭っていても
ゲラゲラ笑っているようなサイコパスで、
長剣をナイフで捌き飛翔無しでも足場の
悪い帆先でフック船長を締め上げるという
圧倒的な戦闘力以外の魅力がないのだが。

末っ子マイケルは森の中を進むときに1人
いつも違うルートを通っておりこれが
非常に可愛らしい。相棒のテディベアを
使った攻撃も最高！
ジョンはもう一工夫キャラ立ちが不足。

疲れたら見たい永遠の名作。