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夏実
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2019年公開『異端の鳥』戦争映画(?)。
ベネチア映画祭で途中退出者が続出したが、
10分のスタンディングオベーションを受けた
いわくつきの問題作である。
第二次世界大戦が激化し、主人公の少年は
両親と離れ暮らしているが疎開先の村では
ユダヤ人であるため酷い虐めに遭っており、
親代わりの老婆も庇ってくれない。
老婆が死んだとき少年は放浪の旅に出るが、
どこでも“異端”でしかないため苦難の連続。
翼にペンキを塗られて仲間から迫害される
”Painted bird”(原題)のように…。
鬱系に耐性がない人には決して勧めない。
物語は小さな少年がこれでもかと次々に
襲う不幸に耐える姿を見せてくるので、
かなり辛い。また、少年を取り巻く人の
中でも相当に酷い目に遭う場面もあり、
画面を直視するのがキツイほど。確かに
映画館のスクリーンで観ていたら途中で
退出した人が多かったのも頷ける。
一方で、無駄を削ぎ落としたモノクロの
映像美は見事であり、極めて悲惨な運命と
コントラストが印象的である。
そして、救いがないわけでもないので、
私としては“鬱度”からいえば『ダンサー・
イン・ザ・ダーク』を上回らなかったが、
酷い目に遭っているのが子どもというのが
見る人によってはより辛いかもしれない。
だが『ダンサー・イン・ザ・ダーク』では
見ている間中、酸欠レベルで苦しかったが
本作では『ああ、次はこういう流れか…』
というような、不幸に“慣れて”来てしまう
という恐ろしい事態となった。
これは理不尽な暴力への“慣れ”、いわば
少年と自身を同一視しての鑑賞スイッチを
切った証拠で、これが現実である場合、
例えば虐めの傍観者の感覚に近いのではと
心底ぞっとする心理が働いたのだ。
もちろん、あくまでフィクション作品として
見ている現実があるのだが、その心理こそが
作中で異端者を排除する同調圧力や無関心、
自己防衛といった暴力性のタネなのではと、
そのためにあえて単調な画面作り(色彩の
排除を含めて)をしたのかと邪推する。
観る人を選ぶが、強烈なインパクトを持つ
問題作である。繰り返すが、鬱系に耐性が
ない方はくれぐれも鑑賞されないよう、
差し出がましくもご注意申し上げる。

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りんご飴
『異端の鳥』映画館で観ました☺️ クセの強い映画は大好きなので☺️。 一番印象的なシーンは、 家の外にいた少年が、物音に気付いて家の中に入る。おじいさんが首を吊っていた😞😟。少年はおじいさんを助けようとする😟。でも無理だと気付く😟。すると少年はおじいさんに飛び付いてしがみつく😑(おじいさんを早く楽にして(死なせて)あげようとする😞😑)。少年の機転の早さ、優しさが印象的でした😞☺️