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あき

あき

雨降る夜は、なぜだかママのいる飲み屋に行きたい気分になります。
何度もこけてはやっとこさ立ち上がってきたようなママと、穴ぼこに何度となく落ちてきた私とで、お互いの失敗やダメなところをベロベロになるまで飲みながら話し、そして聞きあい、心が一体化するような感覚を味わうために。ほんとたまに。
ただ、これを同じママで何度かやってしまうと、ドロドロな関係に陥る危険があるので、常に新しいママを見つけとかないといけません。

北千住の駅から少し歩いた路地に、それっぽいお店が3軒並んでいました。1番手前のお店に入ってみました。
入った瞬間に自分の好みのお店だと分かりました。ここは珍しくお二人で共同でやられているとのこと。
しばらくすると、2人、別々でお客さんが入ってきました。隣に座った方は御年86歳。お元気で、私のか細い声でも聞こえるようで、ふつーに会話できました。人生の大先輩にお会いすると、どうしても聞きたくなるのが。
「玉音放送は聞かれましたか?」
「その時何を思いましたか?」

「その時は栃木の方に疎開しとった。玉音放送はなんのことかわからなかった。9歳だし仕方ない。親から日本は戦争に負けたと聞かされた。」
「これで東京に戻れると思ったよ。」

大先輩はこうも言われました。

「人生で一番必要なのは丈夫な事。丈夫であれば酒を楽しみながら生きられるけど、そうじゃなかったら、ただ息しているだけ。」

ママによると大先輩はほぼ毎日来られるそうです。私はこの大先輩が好きになったので、このお店を通って、もっと親しくなりたいと思いました。
そして、ある程度馴れ親しんだら、最後の乗り越えるべきテーマである「死」についてどう思われるのかを聞いてみたい。
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コメント

ぎー

ぎー

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たくさんの経験からくるものとは思いますが、こういった素敵なお店を見つける嗅覚のようなものが、あきさんものすごく鋭敏なんでしょうね。

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あき
あき
店名や看板って、中でやられている方が、全身全霊をかけて考えられたモノじゃないですか。 私は「言葉」が好きなので、店名と看板を見ると、何となく中の人がイメージできます。100%の精度ではないですが、これがお店選びのレーダーになっていると思います。
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裕輝

裕輝

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こういうとこで呑める男に なりたい。 お酒弱いからなあ。

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あき
あき
お酒は最低限の最初の1杯だけで十分です。それを飲みきらなくても全然大丈夫です。 たった1つ「人の話を聞ける」ことさえできれば。
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黒猫侍

黒猫侍

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うわぁ[ハート] こういう所で飲むの憧れております!

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あき
あき
小さな温泉街なら、こういうお店ありそうですよ。
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