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あゆ
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二重否定くん

徒–iTAZURA–
夜明け前、湿った段ボールと腐りかけの生ゴミの匂いに混じって、か細い泣き声が空気を震わせている。
最初は野良猫だと思った。ここでは珍しくない。
だが、声は一定の間隔で、息を吸って、吐いて、また泣いた。――生き物が「生きよう」とする音だった。
足が勝手に動いた。
黒いビニール袋の山をかき分けると、段ボールの隙間で、赤い顔がこちらを見上げていた。
小さな拳が空を掴み、泣くたびに喉がひくりと震える。
助ける理由なんて、どこにもなかった。
それでも手を伸ばしたのは、たぶん――
この場所で捨てられたものの気持ちが、少しだけ分かってしまったからだ。
赤子は泣き止まなかった。
だが、その温もりは、確かに「始まり」の重さを持っていた。

🐾猫太だぬ🐾


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