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kaiyo

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今、私たちは、月で暮らしています。あそこに見える真っ黒な星。あれが、私たちの祖先が住んでいた星。地球という星です。私は、あの星に住んでいたことがあります。今から、20年前のことです。そのころはまだ、海という生命の泉と呼ばれる宝庫があり、生命が生き残るための酸素。それは、今は、マスクから出ています。
そんな宝物に溢れた地球が滅びると分かった時、大人たちは、月への移住を真っ先に考えました。今まで、地球で生まれ、育ってきたにもかかわらず。故郷を捨てることしか考えることができないのか。今は、そう言える。だけど、あの時は、私も、逃げたい。そう思っていたのだから。
私は、中学校に通っていた。あなたたちと同じように、だけど違った。故郷が滅びようとしている不安を抱えながら生き残るための授業を。クラスメイトは、たったの9人。先生も含め10人。全校生徒、10人。中1だった。まぁ、みんなの年齢なんて興味なかったけど。
他の子供たちは、多分、家で、家族とびくびくしていたんだろうね。学校に通っていた子たちはたくさんの事情があって、家にずっと居られなかった。私は、両親が死んでから、祖父からの愛情をもらった。だけど、愛じゃないよ。愛なら、愛があるなら、暴力なんてしないでしょ。生きづらかった。祖父のそばにいたらしんでしまいそうだった。だから、毎日学校へ行った。学校にいたほうが楽だから。
「みなさあん、おはようございますー。今日も元気にいきましょう。」
と、先生はいつも言っていた。きっと、生きましょうだった。岡本勇介先生。頼りないけど、私達を一番に想ってくれていて。いい先生だったなぁ。
そのあとに、「おはよ。せんせぇ。今日は、何もないと思うよ。」と。彼は、佐藤くん。佐藤輝久くん。彼は、いつも的外れな予言をしていた。先生や、私達も、彼の予言を一切聞き入れていなかった。彼は、逆の事しか言えないのを知らずに。
「いつ終わってもいいけどね。」落ち着いていて、顔も見える。綺麗な顔をしていた。希ちゃん。独り言を毎日言っている。みんなは、最初に死ぬのは、あの子だって。でも、希ちゃんこそ生きてほしかった。
「まだ、終わらないよ。絶対。まだ、この星は終わっていない。」と、希ちゃんに反抗するように言っていたのが光ちゃん。正直この子の事あんまり好きじゃなかった。だけど、この子こそきっと心のうちは傷ついていたんだと思う。
光ちゃんに賛同も反対もしていない声が聞こえる。「きっと、俺は、どっちでも、死んじゃうんだよ。どうせ。親父みたいに死んじまうよ。」と明くん言っていた。だけど、明くんは生きている。今も。
毎日のように、この子たちは、言い争っていた。滅亡の日も。
いつも、教室には、緊迫した空気が流れていた。少し遅刻すると、「大丈夫?ケガしてない?」って。いちいち言ってきてくれた。好きだから。大切だからしてくれた。今だからわかる。だけど、その時は、やめてほしかった。偽りの愛に過敏になっていたから。
私は、嫌いだった。中田兄妹のことが、だって幸せそうだもん。卑しいよね。それもわかってる。だけど、、、。
中田裕くん。私の好きだった子。とても、かっこよくて、今、月にいて生きているなら、きっとモテモテだっただろうね。そのころは、遺すことより、生き残ることを優先されたから。人を好きになる人なんてほぼいなかった。妹のせいで、私は、愛を完全に失うことになった。
裕くんの妹の一花が、私にほらを吹いた。「一花と、お兄ちゃんね、実は、血がつながってないんだ。あと、私達、思いあってるんだ。」と。今なら、嘘だ。って、言える。だって、ありえないほど似ていたんだもん。血がつながっていないわけないよ。でも、その時は、まじに受け止めてしまった。好きだったから。好きすぎて顔なんて見ていなかった。まあ最初から、マスクで顔なんて見えていないけどね。
地球の最後の瞬間、一度きりだったけど、顔を見た。やっぱり綺麗だった。
滅亡の1日前に学校に来始めた子がいた。あの子が、来てからさらに世界の様子がおかしくなった。だけど、恨んだりしないよ。三浦太陽くん。太陽くんは、両親が死んだ。亡くなる前は、名前通りの性格だった。太陽のように明るい男の子だった。両親が亡くなり、太陽は、光を失った。滅亡に向かっていった。
太陽くんについてきた男の子。堂前晴くん。自動生殖器で生まれ、堂前家に養子に行った。だけど、私と同じように正当な愛を受けてこなかった。養子だってことは、ずっと頭の中に残っている。ずっと苦しんできた。私と同じだ。私と似ている。
これで全員。決して楽しくはなかった学校生活。太陽くんと、晴くんが来てからわずか一日で、地球の生活は、終わった。
滅亡の朝は、いつも通りだった。別に、何も起こる気配なんてしなかった。生き残るためにできることの授業を受けていた時。ばーーん。という音と共に、人々の叫び声が聞こえた。その瞬間地球が限界を迎えたんだ。森の叫び、海の願い全て聞こえた。だけど、もう遅かった。叫びは、人々に届くことなく撃沈した。岡本先生は、焦っていながらも私たちの命を考えていてくれた。「お前ら、大丈夫だよ。うちには、ロケットがあるでないか。」とロケットを指さした。月に行くことを設定されたロケットがある。そうして私たちは、校庭へ出た。ロケットへの道のりは、近いようで遠い。あともう少しで、ロケットにつくというところで、真下が、爆発した。「お前ら、走れ。ロケットは、あと少しだ。走れ。」と足を負傷した先生が言う。「嫌だよ。先生も行こうよ。」と、光ちゃんが言った。正義ぶっちゃってって、心の中で思ってしまった。「だめだ。もう、俺は、ダメだ。忘れちまえよ。こんな地球なんか。こんなダメダメな俺なんか。いけよ。走れ。お前らは、若い。まだまだ突き進め。なぁ。」足を抑えながら、光ちゃんの言葉を遮り、そういった。数分はそこから動くことができなかった。みんなの泣き声と、爆発音が響いていた。人の叫び声が聞こえたところで、佐藤くんが小声で「ここに、流星が落ちる、このままだとみんな死ぬ。」と、いつもだったら無視をしていたところだけど、その頃の私たちは、信じた。先生と光ちゃんは、うしろでゆっくりと歩いていた。「落ちる。」と。そんな声が聞こえた。そうしたら、先生たちの上に、そして、「ひかり、出ろ。俺の事なんか…」最後の言葉がこんなのなんて神様はひどいよ。神様なんていないだろうけど。神様がいるなら、地球をこんなんにしなかった。そんな先生を置いて、私たちは、ロケットのある所へ行った。光ちゃんは、私のせいで、って言っている。堂前くんは、やっと、死ねる。こんな人生は早く終わりにしたかったんだよ。私も一緒だよ。そう思っていた矢先ロケットのところについた。生き残ることがこんなにも苦しいなんて先生は教えてくれなかった。
ロケットに乗ろうとしたら、「えっ!七人乗りじゃん。嫌だ。誰か、二人乗れないじゃん。」と光ちゃんが。「じゃあ、私、残るよ。その代わりにお兄ちゃんは、乗せてよね。」と一花ちゃんが言った。そこまでできるほど、兄を、裕くんを愛しているんだ。「なんで、俺の事なんか気にすんな一花。」裕くん、あなたは分かっていない。自分が、愛するよりも、愛する人が生き残ることを優先している一花ちゃんの気持ちが。
「一人、あと、一人。」輝久くんが言う。その言葉で、早くしないとという気持ちが、「私でいいよ。別にこの世界に未練なんかないから。」希ちゃん。私、、「嫌だ。じゃあ私が…」続きを言おうとした希ちゃんが、私のほっぺをぶったの。「ばっかじゃないの。あんたは、愛を知りたいんじゃないの。愛を教えてくれる人周りにたくさんいるじゃん。大丈夫だから。きっと、また空の上で会えるから。」私は、これが愛なんだと思いながら、涙が止まらなかった。
黒ずんでいく地球の上で、たった二人しかも子供の立派に立つ姿を見ながら、私たちは、月へ行った。その間にこの手紙を書いた。「このロケットは、月に不時着する。だけど、明だけ、生き残る。」その言葉を信じて。そして、明くんにすべてを託して。岡本先生みたいな先生になるという夢を月でかなえたかったな。授業したかったな。ありがとう。先生。そして、また会えるね。
中川愛より。
この手紙を遺してくれた女の子は、死にました。ロケットの不時着で。この子の代わりに、僕が、学校の先生になりました。愛ちゃんは、僕にもわかるぐらい愛に飢えていました。「愛ってなんだろ。私が、裕くんが好きなのって愛なの?」っていう風に毎日つぶやいていました。僕は、両親も友達と呼べる存在もいたからその時は分からなくて、でも、今ならわかる。怖いんだよね。怖かったんだよね。愛してあげれたら。許してくれるかな。僕ももう一人じゃなくなるかな。早くみんなに会いたいな。
だけど、僕は、生きていく。君たち生徒のために。愛ちゃんが知らなかった知ることのできなかった愛を刻んでいこう。





なっが。て思うかもしれない。ここまで読めた人は、私に感想をお願いします。
#創作小説
#SFかも
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佐藤の恋人

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酔いました

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