真夏に自転車を漕いで、信号機の手前で止まった。白い地面に落ちる細い影に自分の体が収まるように、ブレーキを細かく刻みながら。 交差点に吹いている風は大きな熱風だった。顔を上げた。空はやけに明るい青色で、遠くの白く巨大な入道雲が、張り付いた絵のように静止していた。