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わんわん
GRAVITY百物語俺は大学時代、すごい田舎で下宿していた。
下宿先のアパートは隣家がくっついておらず、特別に音楽学部の人も住むことができた。
そのお陰で沢山の音楽学部の人と仲良くなった。
まずは、斜め前の部屋に住む、2つ歳上の広島のヤンキー。
「ぶち、たいぎぃのう！」
そう言いながら、とてつもなく繊細なピアノを奏でる。
その部屋の向かい、俺の隣に住んでいたのは1つ歳上の和歌山のヤンキー。
この人はピアノが全く上達しなかった。
でもなぜか、ラジオ体操の伴奏だけは妙に上手かった。
ーーーーとある夏の日の夜。
和歌山ヤンキーが廊下で歯を磨いていた。
（廊下に共同シンクがあるんだ)
いきなり広島ヤンキーの部屋のドアが開き、本人が這うように廊下に出てきた。
それを見た和歌山ヤンキーは歯ブラシをくわえたまま言う。
「おっさん、なにやっとんけ〜？」
広島ヤンキーは、汗だくになりながら言う。
「ね、寝とったら、天井から女の顔がよぉーー！！」
和歌山ヤンキーは、思いっきり馬鹿にするような顔をした。
「おっさん、ついに頭いってまったのか〜？
かわいそうにの〜？」
広島ヤンキーは叫んだ。
「お、お前！ そんな事言ってると呪われるけぇなぁ！！」
ーーーー翌日の夜。
俺と広島ヤンキーは廊下で談笑していた。
すると突然、和歌山ヤンキーの部屋のドアが開いた。
「ひいぃぃ〜〜！！」
和歌山ヤンキーが四つん這いで部屋から出てきた。
俺はあわてて聞いた。
「ど、どうしたんですかっ！？」
すると和歌山ヤンキーは、涙を浮かべた瞳で俺たちを見上げて言った。
「て、天井から女の顔が……！！」
広島ヤンキーが勝ち誇ったように腕を組んだ。
「ほれみい！ だから言うたじゃろうが！！」
ーー完ーー
写真は美味しいエクレアですよ！
お口直しにどうぞ！😋
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コメント
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私も、下宿時代、初めて昼寝の耳許で念仏みたいのを聴いた。 それで起きようとしたら身体がピクリとも動かなくて、これが世に言う金縛りだと初めて知った。 しかし、その時初めて知ったのが、 幼い頃、夜毎に、放送時間外のTVの砂嵐画面みたいな感じが襲ってきて寝づらかったんだけど、あれが金縛りだったのかということ。 寝づらくても、動かずにじっと寝付けるまで耐えていたので、金縛りになってることすら気付かなかった。 古い下宿って、そういう、棲み着いてるのってあるのかな。 下宿繋がりでちょっと思い出しました。 因みに、この本文面白すぎて、帰宅した母に読んで聴かせました。
はる
えっ、その先、、🤣
わち
お皿がかわいい。 おーい。星の申請したぞ〜？拒否なのかっ？
たきこみ
わんわんさんの、文体がほんとに好きで、スラスラ読める！[大笑い]
リス🐿
やだ[穏やか] 以外と怖いのむり[穏やか]笑