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わんわん
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9話
俺はボーカルの女性に、ビールを奢った。
瓶の口にライムが刺さったビールで乾杯をし、ライムを瓶に落とす。
女性は「レオナ」と名乗った。
赤い髪とキリッとした眉毛が印象的だ。
俺より5歳くらい年上だろうか。
レオナさんと話をしていると、後ろから声をかけられた。
「わんちゃん! 来てくれたのか!」
振り向くとY氏が立っていた。
「演奏、楽しめた?」
「はい! 凄い格好良かったです!」
返事を聞くと、Y氏はにっこりと笑って、すぐに自分のテーブルへ帰っていった。
Y氏のテーブルは、いつの間にか女性が3人に増えていた。
ふとレオナさんを見ると、彼女はY氏とその取り巻きを睨むように見ていた。
「私、あの人、嫌いだな……! いっつも女ったらしでさ!」
……対バンでよく一緒になるそうだが、どうやらY氏にいい印象を持っていないようだ。
レオナさんの周りに人が増えてきたので、俺はタイミングをみて席を外した。
Y氏は、3人の女性たちときゃっきゃと楽しそうにしている。
俺は静かに店を出た。
ーーそれから、季節は巡った。
徐々に気温は下がり、もう心霊スポットへ行くような季節ではない。
Y氏の幽霊に会いたい熱も、落ち着いてきたようだ。
ある肌寒い夜。
残業をして、少し遅い時間にバーに行くと、Y氏がぐだぐだに酔っていた。
「あれ? 珍しく酔ってますね〜」
俺は隣に座り、ミントビールを注文した。
(この頃の俺の流行り。ビールにミントリキュールを入れただけのオリジナルカクテル。ようは、スッキリする酒精強化ビールだ)
Y氏は、突然こう言った。
「女に子供ができちゃってさ〜。結婚することになったよ〜」
いきなりのカミングアウト。
「そ、それは! ……おめでとうございます!」
Y氏は、ジャックダニエルが注がれたグラスをじっと見る。
「一回やっただけだぜ? 大当たりってやつさ……」
俺はなんとも言えず、少し話のベクトルをずらした。
「相手の方、きっと素敵な方なんでしょうね……」
Y氏は、だらっと机にあごをのせた。
「 怖い女だよ。え〜と……。わんちゃんも知ってるはずだよ……?」
「え!?」
Y氏は顔を上げずに言った。
「……レオナだ」
#Y氏の憂鬱
#連載小説

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TOBIORIはどのように使われますか?
TOBIORIは、主に日本の伝統的な文化や芸術に関連して使われる言葉です。具体的には、以下のような使い方があります。
意味と用途:
TOBIORIは、特に日本の伝統的な絵画や工芸品において、特定の技法やスタイルを指すことが多いです。例えば、色彩の使い方や筆使いに特徴がある作品に対して使われます。
具体的な例:
日本画や浮世絵などで、特定の技法を用いて描かれた作品に対して「TOBIORI」と称されることがあります。これにより、その作品の独自性や技術的な特徴が強調されます。
現代での使用:
現代のアートシーンでも、TOBIORIの技法を取り入れた作品が増えており、伝統と現代の融合が見られます。アーティストたちはこの技法を使って新しい表現を模索しています。
TOBIORIは、ただの技法にとどまらず、日本の文化や歴史を感じさせる重要な要素でもあります。興味があれば、実際の作品を見て、その魅力を体感してみるのもいいかもしれませんね。

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