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わんわん
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第2話
彼女と出会ったのは、当時働いていた会社の近くにある小汚い中華料理店だった。
彼女はそこでウェイターをしていた。
その店はそこそこ繁盛していた。
味はいまいちだが、安く腹いっぱいになれるからだ。
ランチタイムはたくさんのサラリーマンが常連化しており、俺もその一人だった。
初めて彼女を見たときの印象は、なんだか必死そうだな、という漠然としたものだった。
同い年くらいだろうか。痩せた身体で、長い黒髪を後ろで縛っている。いつも真っ白な長袖のシャツを着ていた。
客に呼ばれる度に「はーい!!」と声を張り上げる様は、なんだか光のように真っ直ぐで、多少力を抜かないと疲れるだろうな、と思った。
だから俺は、彼女とはなるべくのんびりとした様子で接した。
その店に通い始めて2ヶ月ほど経った暑い日、仕事が長引き、ランチタイムの終了間際に店に滑り込んだ。
店はガランとしていて、きれいに食べられた鶏肉の骨のようだった。
食事をしていると、突然彼女から声をかけられた。
「……中華料理が、お好きなんですか?」
彼女は隣のテーブルを拭いていた。
少し汗ばんだ首筋に、束ねた長い髪が数本張り付いている。
俺は少し考えて答えた。
「好きだけど……、ラーメンの塩気をもう少し減らしてくれたら、もっと好きかな」
彼女は、一瞬スッと無表情になった後、取り繕うように微笑んだ。
「実は、私もそう思ってたんです! ……お客様の意見なら、店長に堂々と言えます!」
それから、俺と彼女は注文や会計の時に少しだけ、とりとめのない会話をするようになった。
だが、俺はずっと気になっていた。
彼女が会話中のふとした瞬間に見せる、白紙のような表情。
客が帰る際に「ありがとうございました!」と深く頭を下げ、再び顔を上げた時に一瞬だけ見せる、プラスチックのような冷たい顔……。
そして数日後。
会計の後、彼女からこっそりと電話番号が書かれた紙を渡たされた。
番号の下には几帳面そうな文字でこう書かれていた。
『流星を見に行きませんか?』
#ペルセウス座流星群の夏
#連載小説

二泉映月
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もう集中力切れたか?
この点差やけど取れるアウトはしっかり取ろうよ
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♥️ユニ🧸
ロマンチックな誘いかた[ほっとする][ハート]
✧𝕋𝔸𝕄𝔸𝔾𝕆͙٭͙✧
うん💕行くぅ(⑅*◜◒◝*)⭐️
まりん
流星を見に行きませんかなんて…すてきな始まりの予感 そして二泉映月は弾こうと頑張った時期があった曲です。