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わんわん
『一片の雪』
第7話
実は大学生の時、一度だけ、大人になった栞を見かけた事がある。
その時俺は、長い夏休みを利用して帰省していた。
夜は高校の時の友人達と集まる。
俺は夕方に実家を出て、アブラゼミの声を浴びながら地下鉄の駅に向かった。
蒸し暑いホームで、次に来る電車を待っている時だった。
向かいのホームに、気だるそうにじっと携帯を見ている髪の長い女性がいた。
やけに細い身体のラインが強調された、桜色のワンピースを着ている。
少し痩けた頬に、やり過ぎな赤い口紅。
(ケバい女性だなぁ……)
はじめはそう思った。
しかし、何かが引っかかる。
じっとその女性を見ているうちに、轟音と共に電車が入ってきた。
銀色の電車がその女性を連れ去った後、俺は気づいたのだ。
さっきの女性は、……栞!?
ドクン。心臓が跳ねる。
あの変わり様……。他人か……?
しかしなぜか俺には、あれば栞に違いないという、妙な確信があった。
俺は、栞が想像とは全く違うタイプの女性になっていた事に、驚いた。
だが、「もう俺とは全く関係のない、彼女の生き方だ」と、自分を無理矢理納得させたのだった……。
再び、時は流れるーー。
俺は大学を卒業して社会人になった。
仕事に慣れてきた俺は、毎週末とあるバーに通っていた。
そこは、カウンター席だけの小さな店で、酔った常連客同士が会話を楽しむためにあるような店だった。
そこで、「高橋」という男と知り合った。
年齢は30代半ばだろう。
丸眼鏡をかけていて、いつもお洒落な格好をしていた。
この高橋のおかげで、俺はかわいい女性と、結婚式をあげることになる……。
#一片の雪
#連載小説

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リス🐿
栞は病気なのかい? お次も楽しみだね😎
*☽✯ゆづき*
あら!いきなり結婚式展開?!💒[びっくり][ハート]
いるるʚ♡ɞ
栞ちゃんになにが…😳
mamy
ついに切懐かしい学生時代が終わってしまった(T^T)✨ 高橋·····かわいい女性と結婚····· 気になるぅ💫(((̨̡‾᷄ᗣ‾᷅)̧̢))💫
わち
俺は?![びっくり]俺は?![びっくり] ケッコンシキ???