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わんわん
『一片の雪』
第2話
そんな彼女が、今、放課後の教室で俺に告白をしている……!?
俺にドッキリを仕掛けてるとか……?
もしくは何かの罰ゲームとか……?
改めて彼女の顔を見る。
丸みのある顔に、真っ直ぐに整えられた前髪のロングヘアー。二重の少し眠そうな大きな目が印象的な、整った顔立ち。
そして、肌が驚くほど白い。
正直、じっと見ていられないほど可愛かった。
「だ、だめかな……?」
言葉が出ない俺に、彼女は上目遣いにそう聞いた。
それは、残り少ない絵の具をチューブから絞り出すような声だった。
俺は、彼女の言葉に嘘偽りはないと思った。
しかし俺は、同い年でテレビに出ているこの美少女に憧れはあっても、恐れ多くて恋心を抱いた事は無い。
……そして、なにより当時の俺は素直だった。
「えと……、急に言われても、分からないよ……!」
栞はしばらくじっとしていたが、顔をあげて芝居がかった口調で言った。
「じゃあ、返事は明日ちょうだい!? この時間に待ってるから……!」
それだけ言うと、制服のスカートをなびかせて、足早に教室を出ていった。
残された俺は途方にくれて、ただ薄汚れた黒板のチョークの消し跡をじっと見つめていた……。
翌日の放課後、一人教室に残った俺は、再び栞と対峙した。
俺は言った。
「き、昨日の話だけど……、ありがとう。えーと、よろしくお願いします」
栞は花が開くように微笑んだ。
そして頬を赤らめて、コクコクと素早く2回頷く。
……俺は、思春期の異性への憧れを止めることはできなかった。
しかし当時、この美少女の告白を断る男子がどれくらいいただろうか……?
俺たちはしばらくの間黙っていたが、やがて栞が口を開いた。
「わ、わんわん君は、私のはじめての彼氏だからね? わんわん君もそうかな……?」
俺は素直に頷いた。
「う、うん。俺もこういうのははじめてだよ……!」
「良かった……! これから、よろしくね!」
そう言ってぎこちなく微笑む栞。
その笑顔は天使のようで、それが俺だけに向けられているということに、俺の鼓動は自然と早まるのだった……。
#一片の雪
#連載小説

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えっ実話なの…?🥰
みぃ📷
わ〜! ふたりとも可愛いなぁ✨ どうなるのか楽しみ[ほっとする]
オレンジのしずく🧡
💘二人はどうなるのかなー 早く続きが読みた~い(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク 小説好きの私には、たまりませ~ん♪
リス🐿
じっと見ていられないほどなんて 経験してみたかったな[穏やか] 初恋のお話、続き楽しみにしてるね👏🙊
わち
ニヤ(°∀° )ニヤ フフフッ ニヤ(°∀° )ニヤ ニヤ(°∀° )ニヤ