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通りすがりの猫

通りすがりの猫

[読了本]
『悪意の手記』中村文則

あらすじ
私は元来重篤な病を持っていた。当時の技術では治療が不可能ともいわれていた血漿に関する病だ。生とともに徐々に私の体を蝕んでいたのだがある時それが急激に悪化し、このまま死ぬのは確実という段階にまで達した。奇妙なことに私の病院ではもう一人同じ病気を持つ少年がいたその少年は私より死が間際というのに私の在り方、薄こけた根源を否定し、死にさえも自分をこうした全てひいては不貞腐れた私さえも呪ってやると残した。日に日に悪化していく病に、長く持続しない意識、治療への期待と諦念が混じり合い。私は遂には生きながらに死んでいるようなそんな状態へと変貌した。そんなある日ふと目を覚ますと私の体を蝕んでいた全身の痛みが無くなっていた。そこからはトントン拍子に退院し、学校に通えるようにまでなった
。しかし既に私は生きる意味を失い、他者と隔絶された状態におり、復帰してからもクラスメイトからは気味悪がられ避けられた。親友だったKは私を以前の普通に戻そうとし、理解しようとした。それを横目にふと川辺で私と話すKを溺れさせることがよぎった。葬式で私は上手く擬態できていたはずだった。しかしKの母だけは私の奥底を見逃さず執拗に人殺しだと叫んだ、幸い息子を失ってヒステリーになっておりその言葉は耳を傾けられなかったがその後、Kの母が死ぬまでその怨念は付きまとった
これはここを起点に世界から切り離され様々なしがらみを纏った男の成長と精神の変容を綴った芥川賞受賞作家の描く心理小説

感想
〇あらすじが長くなってすみません最近感想書くのが面倒になってて読了後1週間ほど経過してますがそれでも書き始めたら止まらなく、ここも入れたいという要素が複数出てきてこんな長さになってしまうほど重厚で面白い作品なのでぜひ読んで欲しいです
〇やっぱり中村文則さんの文章は相変わらず居心地のいい暗さを持ってて好きだなと感じたのと、内容の重厚さ、心理の丁寧でリアルな変化がたまらないです
〇とにかく好き
#学生 #読書 #読了
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