夜明け前の不確かな世界と私たち｜GRAVITY(グラビティ) SNS

🌌 風に揺れる未確定のぼくたち｜2025年1月30日

夜明け前の世界はまだ確定していない。
風が吹いているのか、静寂が広がっているのか、
コーヒーの香りが漂っているのか、それとも
まだ夢の続きの中にいるのか。

ぼくらはいつも、「決まる前」に存在している。
どの未来へ進むのか、
どの言葉を紡ぐのか、
どんな一日を選ぶのか。
それは、まだ誰にもわからない。

量子力学では、波動関数は観測されるまで収束しないという。
電子は、そこに「いる」とも「いない」とも言えず、
可能性の重ね合わせとして存在する。
ぼくらもまた、確定する前の無数の選択肢を抱えたまま
朝の光の中をさまよっている。

たとえば、ぼくが今日書くこの言葉も、
読まれるまでは未確定のままだ。
ぼくの意図を超えて、
誰かの心の中で別の形に変わるかもしれない。
ぼくの詩も、ぼくの文章も、
読まれることでようやく「意味」を持つ。

けれど、本当にそうだろうか？
ぼくは、まだ読まれる前の言葉たちにも価値があると思う。
未確定で、曖昧で、揺らいでいるもの。
そこにこそ、自由がある。

ぼくらは、どこかへ収束しなければならないのだろうか？
ひとつの意味に、ひとつの形に、
完全に決まる必要なんて、本当はないのではないか？

ぼくは今日も、確定しないまま言葉を綴る。
この言葉たちも、ぼく自身も、
まだどこへ向かうのか決まらないままで。

観測される前の、無数のぼくらへ。
風の中で、揺らぎながら生きていこう。