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オリジナル短編小説『不在の存在』 第1章(2)

影たちは意識という概念を持たないに等しい/存在/であり、ただこの世界の中で漂い続けている。 何かを考えるわけでもなく、何かを求めることもない。 ただ/存在/しているだけであり、その/存在/が何を意味するのかすら理解することはない。 969C97A288EA8BF3もまた、そのような/存在/であるはずだった。 しかし存在流が969C97A288EA8BF3に触れた瞬間、彼の中で何かが動き始めた。 トンネル効果が間接的に作用することによるエントロピーの揺らぎが引き起こしたネゲントロピーの偏りが彼に微かな秩序を与え、その影響が彼の中で原始的な意識を生じさせたのだ。 この意識はまだ言葉にできるような明確な思考ではなく、非常に断片的で不完全なものだった。 969C97A288EA8BF3は自らの存在が何かしらの形で変化したことをぼんやりと感じ取ったものの、その変化が何を意味するのかは理解できなかった。 彼はただ、漠然とした違和感を抱えながら漂い続けた。 断片的な感覚が彼の中で渦巻き、それが不安や戸惑いとなって彼を揺り動かした。 969C97A288EA8BF3に生じたこの変化は彼にとっても響像界にとっても特異なものであった。 そしてただ、自らの中で生まれたこの曖昧な感覚が自身をどこかへ導くのではないかという予感だけがあった。 この予感に突き動かされながらも969C97A288EA8BF3はその揺らぎの中で自らの存在を問い続けた。 物質もエネルギーも存在し得ないこの響像界で自身が何者であるのか、その答えを探るための旅が今まさに始まろうとしていた。
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