おばあちゃんから聞いたお話むかしむかし京の都に ある積み木職人がおったそうなまじめで丁寧な仕事をするけれど流行にはとんと理解のない男だからかなかなか売れないけれどやっぱりまじめに丁寧な仕事を続けるそんな男を好ましく思う幼馴染の娘は影ながら応援していたそうなある日 異国のおなごを保護して養子にした庄屋の旦那がやってきた「おぅ邪魔するよ」「へいらっしゃい」「うちの娘がどうも升?みたいなものが欲しいらしくてな」「異国からの娘さんが?」「おぅなんでも異国では年頃になると升をこさえて一生大事にする風習があるってな」「なるほど」「でな おめぇなら腕は確かだしやってみてもらいてぇなと」「へぃうけたまわりやした」後日 男は丹精込めた升を庄屋の娘に届けに向かった「ごめんください」「あらいらっしゃい」「お父上からご依頼頂きました貴女様向けのお品が仕上がりましたのでお持ちしました」「それはありがとうございます なにかしら…これはっ!」「どうしなさって?」「これは異国時代ママが 母が持っていたものにうりふたつだわ!ありがとう…ありがとう…」「自分はただできることをしたまででして」そんな様子を幼馴染の娘もまた影ながら見守りもらい泣き「いいもの作れて喜んでもらえてよかったわ…」そうそう男の名は仁五郎兵衛幼馴染の娘の名はすず異国の娘はクリス仁五郎兵衛 仁五郎兵衛 すずが泣く京も楽しい クリス升これが訛ってクリスマスによく聞く曲の歌詞になったそうなめでたしめでたし#何の話