鬼退治を終え、側の丁度良い丸石に腰掛けた。思ったより早く終わったなぁ少しばかり余力もあるまだ居ないのか?周りを見渡せど鬼だったものが横たわっているだけだ。猿は金目のものを漁り、雉は肉を啄み、犬は物足りないと怪訝な顔をしながら小便をかけている。あぁ、終わったのか好物の草餅をまだ三個残っている、ならば一個、まだ残っているな、また一個。もう一個残っている。夜にするか。いや、食べてしまおう。無くなってしまった。まだ食べられる。食べたいなぁといった気持ちと良く似ている。まだ殺したい奴らは悪だ成敗してくれるどこかに居ないか居ないか居ないのか母上は明日になれば草餅を置いておいてくれるが、鬼は違う。私は気付いてしまった。鬼は、私だ。己の中のそれに気付いてしまった。ガサリ音の方に目を向けると、目を見開き眉を潜めた子供が幹の後ろに居た。身体は紅く、ちゃんと角を生やしている。鬼の子だ。膝に乗せた片方の手を首筋にやりぽりぽりと少し掻いて、私は転がっている金棒を手に取り小さく「草餅」と呟き幹の方へと足を進めたー から。