
普通の魔術師
漂う水面の上で、キラキラ光るものを集めていきたい
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普通の魔術師
きょうも僕らはひとりだね
このちいさなちいさな島の中で、
誰も彼もがうつむいて、
スマホの明かりに照らされて
星のきらめき、誰も気づかない
魔法はね、特別じゃないの
本当だよ
ぜんぶは気づくことからはじまるの
風の語り部、アスファルトのおしゃべり
声にならない君の声
ぜんぶがぜんぶ、聞こえたら
あとは簡単、はなしてごらん
星も、ビルも、街路樹も、
みんなみんな答えてくれる
いいこともわるいことも、
ぜんぶがぜんぶ、まどろむ夕日の夢の中
#読書 #ポエム #もし魔法を使えたら

普通の魔術師


普通の魔術師
あなたの帰りをずっと待っている
光る十字は見れたかな、
星の宮のふたごに会えたかな
ずっと、ずっと待っている
鉄道の飛び立った日からぼくは、あなたに会えてない
さみしさとうらやましさがずっとここにある。
十年前、深夜のマックで朝まで話したあなたのこと
帰りたくないを言葉にできなくて、
マイナーなアーティストの話をずっとした。
あの日もこんな星空でした。
あれからぼくは、あなたの知らない全てを知った
けど、あなたの行方だけは今も知らない
あなたと会ってぜんぶぜんぶ話したい。
この満天の星空を数え終わるまで
あなたを待って夜空を見てる。
#読書 #夜ふかし #ポエム

普通の魔術師
月の雫を飲み干したあの夜を覚えてますか?
きっと、あのときの暗闇が今も僕らのなかに
引いては寄せる波のように
赤黒く明滅しているのでしょう
星の最後を知っていますか?
僕らの始まりを覚えていますか?
さむいさむい夜空のしたで、
か細い月が最後の雫を落としたとき、
東の空が輝いて、太陽の季節が始まった。
それでも僕らのなかにいまだに残っている。
あの夜の暗闇が今も輝いている。
#読書 #夜更かし

普通の魔術師
生存競争のはじまる遥か前から
まどろむ赤潮のなかで優しく窒息する僕ら
はじめて暗闇に光がさした波の中
聞いてください、波も岩も潮風も
全部聞いてください、彼らの声を
みなが一斉に生きたいと叫んでる
呪いのように祝福のように讃美歌のように
低い地鳴りのように
今日も海辺ではいのちが喜び悲しみ這って踊る
風が吹いてる
#夜更かし #読書

普通の魔術師
本物の孤独がやってきた
ラインの通知は鳴りやみ
道で会う人々とも目を合わせない
本物の孤独
やっとやってきた落ちるところまで落ちたのだ
落下加速度がなくなって、やっと自分の足で立てる海のそこ
見上げると水面は遥かとおく夢みたいに揺れて
見渡すとなにもない砂原ばかり、
やっと手に入れた自分の時間
原始の海でなにからはじめようか?
