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昨日はどこにもありません

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連なりけるは
夜半の空
久しき空寝
君を忘れじ

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心底つれない黄葉は
ひらりと舞う
重力に任せて何を思う
いのち全体が、欲している
清い循環のために
素知らぬ舗道は
ただ、触れる
もの言わぬ瀝青の顔
今日も掃き溜めに向かうのか

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落つる葉嘆く
秋の暮

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交差する熱情と
ほとぼりを増した青い吐息
来たる激浪に唇は閉じゆく
調律の合った巧みな勢いの先に
寸分にも満たない刹那よ
うわずった震えの独白は
妙に建付けの悪い廃屋へ沈む
怪訝の眼差しなぞ消え失せて
無勘定で醜悪な、あの手の誘いに
── 苦悩に縛られた内省は何処へ!
ひどく甘い呼び声が反復する
凍える二月の亡霊を見た
天の切っ先に悶え、身をよじらせる
溺れる月夜の瞬きを見た
交差する熱情と
ほとぼりを増した青い吐息
来たる激浪に唇は閉じゆく

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