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なかなか良い買い物ができました。
『インザスープ』のレンタル版は荻窪からスタッフが持ち込んだ物の様で、そんな映画好きなスタッフが在籍してたんだなと店員目線で思いを馳せてしまいます。


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遅ればせながら大好きな監督の一人であるポールトーマスアンダーソン監督の最新作を観て参りました。この監督の特色は何といってもキャラクターテリングでしょう。シーンの一つ一つで登場人物の抜けているところを面白おかしく切り取り、それによってサスペンスを成立させてしまっています。本来であれば抜けているところを払拭または克服させることで、観客はサスペンスから解放される快楽を味わうわけなんですが…。ここで安易にキャラクターを潰さないのが彼の素晴らしいところです。役者全員が強烈で、大歓喜しました。


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回答数 90>>
最近はあまり話題にあがりませんが、音楽映画といえばジョンカーニー監督を想起します。彼が撮る音楽は格好良いというよりも、強くて楽しくて温かい印象があります。音楽で売れる売れないという軸で物語を動かさないからこそ、『シングストリート』は暗い背景がありながらも非常に爽やかで誰にでもお薦めできる作品だと思います。どの音楽映画においても曲を作るシーンは多幸感に満ちていますが、本作の楽器の音が重なっていくシーンは特に素晴らしいです。


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意図せず『ファンタスティックMr.FOX』と間を置かずに観たせいで困ってしまった作品。共通の友人の死をキッカケにしてミドルエイジクライシスに陥る三人の、時に周りに危害を加えるホモソーシャルを突き放して切り取っています。演出を削いだ寡黙な作風からか、フェアな筈なのに不快な部分ばかりが前面に出てしまっている部分は否定できません。しかし綺麗事で内包してしまうのではなく、残酷で幼稚な面も含めて男の性質について真摯に描き切っていることは現在から鑑みても前衛的ですね。


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回答数 48>>


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秋といえば個人的にはノワールなんですが、鬱々しいのも好みでないので型を用いながらもポジティブな本作を。本来ならばタフな私立探偵の役割を無職ジャンキーにすり替え、お気にの絨毯を弁償して欲しくて修羅場に巻き込まれていってしまいます。どんな状況でもホワイトルシアン片手にハッパを吸う、いつでも出鱈目で出まかせな主人公はある意味タフガイというところも面白いです。ボンクラ主人公以外の登場人物も皆が変人ばかりで、事件そっちのけでロサンゼルスの変人見本市を楽しんでしまう脱力作品。

ジャスト・ドロップト・イン
秋になると見たくなる新旧問わず映画を教えて
参加

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カウンターカルチャー黎明期のバイブルであり『理由なき反抗』に先行した映画にも関わらず、日本ではその影に隠れている作品です。レザージャケット=バイカーといったイメージを構築した作品ということで、ファッション部分ばかりが語られています。しかし最初期の若者向け映画にも関わらず、マーロンブランド演じる主人公が単に悲観的であったりツッパるだけの人間でないという所は見応えがあります。荒くれ集団の中で一人孤独を感じるという型は、その後も多くのカルチャー映画に応用されていますね。


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ホフマンは初めて長編を読みますが、短編集をボロボロになるほどに読んだので楽しみです。
メリメもホフマンと同文脈で語られる作家で、怪奇小説選というグッとくる纏め方に惹かれて購入しました。
ダンセイニは既読の『世界の涯の物語』の片割れで、やっと手頃な価格で入手することができました。


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好きな映画は?と聞かれ、毎回真っ先に思い浮かぶのは本作です。自己分析なんかの質問って答えづらいですよね…[一人でいるのが好きか、誰かと過ごすのが好きか]みたいな感じで、どちらかを選ぶってやっぱり難しいんですよね。本作は正にそんな迷いから引き裂かれた主人公を、コミカルに演出する傑作であると思います。引き裂かれた個を統率すべく用意されるエネルギッシュな結末が大好きで、間違いなく人生で最も影響を受けた映画の一本です。

大好きな映画を教えてください何度でも語りたい作品ありますか
参加

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回答数 55>>
おじさま方はゆったりとソウルな雰囲気があり、若者は尖ったヒップホップファッションに身を包んでいる。社会派な要素が強く、なかなかファッション視点で観るのが辛い映画ではありますが個性的で自由なストリートファッションの見本市としての素晴らしさもあると思います。
人種問題をスパイクリーが切り取った作品ではありますが、底に流れるメッセージ自体は今現在を生きている分かり合えない大人たちに是非とも参考にして頂きたいものです。


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コーマン門下を卒業した後に『ストップメイキングセンス』で音楽映画の一頂点を築き、後に『羊たちの沈黙』で一世を風靡するジョナサンデミの脂乗り期の一作です。あっと言わせる展開のような物語の面白さが飛び抜けているのではなくて、物語の転がし方が兎に角上手く釘付けにされてしまいます。音楽や少し風変わりなキャラ、舞台と小道具のチョイスが一々ポップでクールなんですよね。アメリカンポップなノワールといった部分では『パルプフィクション』が好きな方なんかにブッ刺さる作品だと思います。

Wild Thing

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読まず嫌いしていた太宰ですが、表題作の『哀蚊』から凄く好みです。
あとは初めて出会ったメキシコの代表的作家のフエンテス。土着性の幻想譚なのにバルザックやゴシック文学からの影響があるという触れ込みに心を奪われました。岩波の赤帯はヘンリージェイムズのもそうですが、こういった短編のチョイスが個人的には好みです。


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久々にブラックスプロイテーション映画を観ました。タランティーノ監督作『ジャッキーブラウン』にて主題歌が使用され、再び注目を浴びた作品です。作りは他の同ジャンル作品と比べると、結構硬派に作られています。70年代らしいアクションが見どころではあるのですが、意外にも登場人物の心情変化を巧みに纏めているあたりも面白いです。この部分から感じられる本作の差別への認識は、後のスパイクリー作品とかなり近しい様に思います。この規模の完成度が高い映画が量産されていた70年代くらいを眩しく思います。

Across 110th Street

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遂に丸一年くらい探してたアノラックパーカーを手に入れました。スタイルのメインを張れる程よい装飾が好みです。ある程度のパンツを品よく見せるクラシカルなグリーン、この色だからこそアノラックをストリートとかアウトドアに寄りすぎない感覚で使えそうです。


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写真は秋に向けて先日購入したウールシャツジャケットを使ったスタイリングです。アラサーになってストリートに上品さと遊びを取り入れるようになってきました。


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回答数 28>>
プロローグの一文より"映画ファンは映画をおもしろくしなければならないという、すばらしい快楽的な義務を負っている"が示すように、映画を語る際の手本として本著を挙げたい。何かを小難しくこき下ろしたりはせずに、ただ好きで面白くて楽しいことを語る無邪気さが良い。古典映画も娯楽だってことを教えてくれた一冊でもあります。


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回答数 3>>
ゴシックモンスターたちは妖怪みたいに伝承がベースだったりするので、精通している方の著書を読むことが個人的にはオススメだったりします。
種村季弘の『吸血鬼幻想』とか面白いですよ。

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肝心なゼメキスの映画版は、技術的には最高なのに物語が真面目寄りで残念な印象。ジョーダンテが撮っていれば…もっとハイで万人受けから遠のくも根強いファンがつく映画になっていたのかもしれませんね。とはいえ、アニメをメタ的に飛び出させるトゥーンタウンの世界観は夢があって最高。


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回答数 11>>
ゴダール映画って何か面倒くさいんでしょ?と思いながらも、『ロシュフォールの恋人』的な茶目っ気のあるフランス映画の雰囲気は好きって人に推したいゴダールの初期短編。なんと脚本はエリックロメールがやっている。とにかくポップで軽快な恋愛劇で小難しさなんてものは1mmもない。こういった短編作が配信されると、またヌーヴェルバーグのイメージも変わるんだろうなと思います。


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美しくエネルギッシュで脆い青春を、写真家ラリークラークが切り取るデビュー作。
『mid90s』からの流れでクラッシックを久しぶりに見返しましたが、何度観ても辛い。多くの人はすり抜けて大人になってしまうが、強烈さを求めてとんでもない目に遭う人間も少なくはない。
マッチングアプリ全盛の今ならHIVも他人事ではない。しかし欲を抑えて大人になることも、それはそれで味気ないし危ないと思ってしまう。
結局は身をもって知るしかないのかもしれませんね。ただ、それにしても本作は結構ネガティブ寄りな印象を受けますね。


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文庫でそれは流石に高くないのだろうか…。

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劇場公開時はあまりハマらなかったので衣装目当てで流し見しようと思いましたが、面白過ぎて真面目に観ちゃいました。
スケートの遊びなのか競技なのか曖昧だからこそ形成されるカルチャーの奥深さが凝縮されています。そんなに綺麗事にはいかないことは理解しつつも、終盤の病院のシーンで母の思い描くスケーター像がガラッと変わるシーンが良いですね。
フォースグレードがずっと撮っていた映像に被さるのがファーサイドだって所も最高。

Passin' Me By

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今更ですが、これはちゃんと腰を落ち着けて観たいと連休まで取っておいた一本。これがロングランするということが何だか夢のような気がしますね。そして本作のおかげで長年観たかったジョニートーの『柔道龍虎房』も観られるというのが有難い限りです。
ベテランスター枠の一番美味しいところにルイス・クーというのが何だか渋いななんて思っていたら、当人も凄く渋くなっていて登場シーンから興奮が止まりませんでした。キューバシャツが欲しい。
僕は2000年あたりの独特な外連味が極まったあたりも大好きですが、『イップマン』あたりから現代的にアップデートされて本作はその極地だなという風に感じました。続編が楽しみです。


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北野武監督のフィルモグラフィでも少し異色な一本。久石譲の『Summer』に引っ張られて、直球の夏ロードムービーを想定していると面食らう。
思わず笑ってしまう役者陣をカットせずにそのまま使っているあたりから、この作品の脱力っぷりが滲み出ています。役者陣が演技というよりは素で楽しんでいる姿を撮ることで、大雑把に夏の魅力を切り取ることができてしまっているのが面白いです。


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トワイライトゾーンなどSFがTVで流行った時代に活躍したリチャードマシスンの短編。
どこかで誰か一人が死ぬ代わりに50万が貰えるというボタンというジュブナイルっぽい内容で、ネットで流行った5億年ボタンなんかと似ています。
突拍子ない話っぽくも、浮気などにも置き換えられる普遍的な内容となっています。
長編映画化された様で未見ですが、どの様に長尺アレンジしたかが気になります。ボタンを押した後を考察する内容になっていたら面白そうです。

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今月がお誕生日で妻から頂きました。
ラルフは好きで色々と持っていますが、CLAYTONはお初です。形がアロハシャツみたいな感じなのに、柄が目の粗いチェックという変テコさがラルフっぽくて最高に良いですよね。
サイズ感間違えられない服を、バッチリなサイズ感でプレゼントしてくる妻は偉大です。大事に着たいと思います。
#古着

Lucky 4 You feat. chelmico

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本作までの監督作と質感は似ているものの、根が変わった転換作。質感は現実主義的で冷ややかに若者の青春を捉える監督の眼、作中に登場する大人たちが通った筈の青春でさえも冷ややかに捉えているように感じます。本作までの監督作ならば、その冷ややかさは命にまでも向けられますが本作では惨たらしい現実を前に登場人物たちは死を躊躇し生に固執します。現実と心中せずに相対するという根っこは本作までの監督作と大きく異なる点のように思います。この部分は次作である『HANA-BI』でより混濁したものとして描かれ一つの区切りとなっています。
監督作の中でも観客が身近に思えて、且つ前向きな本作の人気にも頷けます。


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江戸川乱歩の幻想怪奇を代表する短編。文の装飾のみでも十分に楽しめる筈なのに、オチをつけるのが乱歩が他の幻想作家と一線を画して今も多くの人が読み続けるポイントのように思います。
腰掛けて読書に耽るコチラにも侵食するサスペンスも素晴らしいですが、個人的にはヤドカリ描写が好きです。

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『ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー』と同じく、あまりに淡白な原題のあまりに変な邦題を付けられてしまったマイケルマンの初期作品。
原作は『羊たちの沈黙』の前作でありレクター博士も登場するが、そこに引っ張られて鑑賞する人にとっては不満が残りそうな程にマイケルマン色が強いと思います。どちらかといえば70年代から続く刑事アクションの文脈を引き継ぐ作品ですが、後に監督の代表作となる『ヒート』と同様にアクションが多い作品ではありません。
傍若無人なヒーローとして描かれた刑事ヒーローを一人の人間として丹念に描写するからこそ、最後にアイアンバタフライをバックに突撃する姿に興奮が抑えられなくなります。
あと暗闇をパトカーの灯が照らして後ろのパトカーのヘッドランプが逆光を作って爆走する画が超格好良くて大好きです。

In-A-Gadda-Da-Vida

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セットでしか販売なかった『モード家の一夜』がBlu-rayで手に入ったのが嬉しい。
他はレンタル落ちで安く買い集めました。


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今日から一番好きな映画は『ゴモラ』ということにしておきます。


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毎夏に必ずアメリカの青春群像劇が何故か観たくなってしまいます。この手の名作の特徴は学生達のダサいところも描き込まれているという所にあると思っています。『アメリカングラフィティ』も『バッドチューニング』も同じく学生達の背伸びっぷりが良い塩梅で滑稽に見えるのが良いですよね。ただ、その尖りが時代を越えても魅力的に映るカルチャーを作り出していることは間違いないと思います。
本作は邦題が良いです。リッジモンドハイって単に高校名の筈なのにも関わらず、とち狂った語感がありますよね。
『アメリカングラフィティ』の田舎町は車で街の遊び場を徘徊するのに対して、時が進んだ本作の田舎町ではショッピングモールが登場します。どの店でバイトするのかが学生たちにとってはステータスになっていたり、ステレオ屋で働いているとモテたりとか…このしょうもなさが最高に良いですよね。


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やはり文豪で怪談といえば個人的には泉鏡花が想起されます。鏡花の作品がアートだとすれば、綺堂の作品はもう少し砕けた落語の様な大衆娯楽の雰囲気を纏っている様な気がします。
この時代の作家で現在でも手軽に作品を手に取れるもので駄作はまあ無い訳で、そんな中でも綺堂の作品は旧仮名遣いであっても読みやすいという嬉しい魅力があります。
盆など旅館に行かれる際の良いお供として如何でしょうか。

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公開当時は小学生で、その後に観たのもBlu-rayが持て囃された中学生の時だったと記憶しています。
改めて観ると、ジョーカーというヴィランの解像度が全く異なっていました。これまではバットマンvsジョーカーという単純な構図でしか追っていなかったけれども、市民でも争うことのできるヴィランという部分に特異なものを感じられます。
今まではシチュエーションとしてしか観ていなかった避難船での一悶着も、印象的なシーンとなっていました。
SNSで誰もが簡単に正義を振り翳すことのできる現在だからこそ、本作のジョーカーが迫る選択への恐怖が身近に感じられる筈だと思います。


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回答数 24>>
タイムトラベル系のSFを、スチール写真を連続で見せるスライドショーの様な形で超低予算で作った短編作品。後に内容の似たド派手な作品は大量に作られているものの、本作のミニマルな作りは未だに輝きを失っていないように思います。
強烈に焼きついた記憶の断片がスローモーションで動き出すシーンが非常に映画的で素晴らしいシーン。
それと関係はないですが山田宏一氏の著書『友よ映画よ』がお薦めです。アンナカリーナをモデルにアパートで写真を撮るエピソードなど、ヌーヴェルヴァーグ渦中にいた著者の回想録で映画ほどの満足感を得られる一冊です。


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映画と本と古着が好きです。
よろしくお願いします。
